今日は大阪からお客様がみえる予定で
朝からずっと連絡を待ってました。
お客様のご用は、私が手がけている仕事
地籍調査のための立会いに参加いただくことでした。
地籍調査とは、土地の境界を所有者の方の立会いのもと確認して、その確認した境界を精密に測量し、図面に起こして法務局にいわゆる公図として備え付けるという制度です。
私は、もちろん役場として土地のデータがきっちりそろうというメリットもありますが、それ以上に、土地所有者の方の大事な財産である土地をはっきりさせて、災害をはじめどんなことがあってもその土地を財産として将来にわたって管理できるという面で、また測量の費用が全て行政持ちで所有者さんの負担を求めないということで、土地の所有者の方に大きなメリットがあると信じてこの仕事を、誇りを持って進めています。
この記事を読んでいただいている皆様のお住まいの地区では、地籍調査がずいぶんと進んでいるところや、場合によってはすでに終わられているところもあると思います。
直近のデータでは、全国の進捗率は47%で、北海道や東北地方、あるいは中国四国、九州地方ではかなり進んでいると聞いています。
残念ながら、わがまちのある近畿地方は全国でもかなり遅れています。
わがまち自身も、全面積のわずか3%しか調査が終わっていないという状態です。
今調査をしているところは、大阪の所有者の方がたくさんいらっしゃるんですが、大阪府は全国でもワーストのところで、当然地籍調査というものに対して認識がほとんどないというのが実際です。
そのため、立会いのお願いをしても、かなりの方が来ていただけないという状態でした。
今日来ていただいた方も、そんなおひとりでしたが、お願いをさせていただいて何とか来ていただけました。
しかし、ご本人さんご自身がご自分の土地がどこにあるかわからないような状態で、境界がどこかをご確認いただくことは不可能でした。
それでも現地に境界杭と思われるコンクリートの杭があったので、それを見ていただいたんですが、そんな杭は記憶にないとのこと。
そして「登記簿どおりの面積があれば納得するので、どうにかして役場で話をつけて欲しい」とのお願いをされました。
でも、土地境界は個人間の問題なんですよね。
それは、いくら行政でも立ち入ることはできなくて。
面積についても、全く同じにすることは物理的に不可能なんです。
だって、同じ距離を測っても、全く同じ結果がでることは理論上ありえないんですから。
こんなご説明をさせていただいたんですが、どうしてもご納得できないようでした。
確かに、そのお気持ちは理解できます。
実際にその方の土地は、購入された当時の面積から、実際に計った面積は結構減っていたんですから。
でも、やはりその解決は個人間でつけていただくしかないんです。
ということで、隣接土地の所有者の方にご連絡をして、再度立会いをセットさせていただくことでご納得をいただきました。
私自身は、おっしゃられることはそのお気持ちも含めて理解はできるつもりです。
その上で、できれば解決をさせていただいて、全ての土地所有者の方に気持ちよく最後のご印鑑を押していただければ、と思っています。
だから、願いが叶うなら円満に解決できてほしいです。
立会いでは、どなたの土地の面積が多くても少なくても、誰かの側にたって弁護することは、行政の立場である限りできないわけですから。
と、今日の仕事でとても歯がゆい思いをしましたので、ここで吐き出させてもらいました。
読んでいただいた方、こんな記事にお付き合いいただいてありがとうございました。
追記:
せっかく読んでいただいた方に。
お住まいの地域で地籍調査が実施される際には、お仕事のご都合などおありかと思いますが、極力ご参加されることをお勧めします。
放っておいても何も解決しませんし、参加することのデメリットはほとんどありません。
逆に可能な限り客観的な立場で立会いは進めてもらえますし、ただで測量してもらえるんですから。
どうしても参加が難しい場合でも、せめて役場に連絡だけはされることをお勧めします。
連絡さえあれば、役場側は何か方法を考えることができます。
連絡がまったくないのが、一番どうしようもないので。
では、おやすみなさい。