川井小路のブログ デル・トボーソ日記 -10ページ目

川井小路のブログ デル・トボーソ日記

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一冊の本を書くことが、ずっと夢でした。
そして原稿用紙に向かう。一行目を書く。二行目を書く。三行、四行…
次の日になって、続きを書こうとすると、
全部消えている。
また一行目からやり直す。二行目、三行目、四行目…
次の日
煙の如く消えている。または水面に浮かぶ泡のように。朝の露のように。 

また書く…存在には時間がないということを。
その内容は、まるで無いようにリアルなので、
そうして気付いたら何十年も経っていました。
浦島太郎みたい。

なぜなら、「空の空、空の空、」で始まる伝道の書には、
「目が見るところは、心があこがれることにまさる」。
目で見たものは、なにもなかった…いいえ、ただ一つだけこの目が見る世界ではっきりしたことがあります。
「凶暴で狡猾な統率者による、人間の下降と同一性の消滅。」(ノースロップ・フライ)
無力は先刻承知。でも
書かなければ、また今日もなにもなくなります。



ワールド・カップでドイツにブラジルが七点もあびせられたことに対し、
蓮見さんが「サッカーをサッカーじゃないものにしてしまった…醜い失敗」と
新聞でおっしゃっていた。美学はとうの昔に死語になってそれは仕方が無いにしても、
明視することの
快さを、雲の切れ目のように久しぶりに感じました。凶暴で狡猾な統率者などでは勿論イケメンのレーウ監督はないけれど、これも目で見たことへの反証。



上昇と同一性の回復の、未知の一冊の本のために、必要だった他者の鏡として
ブログを始めようと思いました。読んでくださる方が一人でもいたら、
救われる
どうぞよろしくお願いします。