避難想定 ~介護わんこと一緒に~ | おばあちゃんになった、わんこさんのおはなし。                    ~高齢柴犬の闘病・介護記録~

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ハイシニア柴犬介護記録です。
1年3カ月の闘病期間を含め、いつでも家族みんなで笑いながら過ごした、柴犬「わんこさん」との16年と8カ月の生活。
悲喜こもごもあったけど、トータルしてとっても幸せだった日々のおはなしです。

犬と一緒に過ごす生活って、いいね。

6年前の今日は、東日本大震災の起こった日。

 

西の地域に在住の私は、けれど阪神淡路の地震の時には強震地域だったというここには住んでおらず。未だ大きな地震を間近で経験したことがありません。でも、東日本大震災の起こった時間には、震源地から遠い遠いこの地にいてもはっきりと揺れを感じ、その証拠に天井に吊ってあったウィンドチャイムがいつになく騒がしく鳴りだしたのでした。あわてて地震速報を見て、てっきり近くだと思っていた震源地とのあまりの距離感の差に愕然とし、地震の規模の大きさを想像して慄いたものです。

そしてその後の状況が明らかになるにつれ、被害の甚大さに、情けないけれど私はもう言葉も出ませんでした。間近で体験された方の恐怖はいかばかりだったか。その後の津波が家も車もすべてをさらってゆっくりと飲み込む様子のテレビ画面にくぎ付けになり、被災された方のせめて命の無事を祈りながら、ただ震えあがることしかできなかったのでした。

 

大災害で命を落とされた人たちを偲び、6年経った今なおその影響で不自由な暮らしを強いられている方々がいる現実を忘れずに、復興の祈りをささげるとともに。過去の教訓に学び、地震災害に備えようと、今日もいろんな報道がなされています。熊本地震の際もペットの避難についての論議が起こりましたね。

 

スペースの限られた避難所に一緒に入れなくても仕方ないけど、でもとにかく安全な場所までは一緒に逃げなきゃ。置いていくなんてできないに決まっている。ワンコも家族の一員として暮らしてきた私には、それ以外の選択はあり得ません。

けれど、ペットなのです。人間の救援物資を分けてもらうことはできないから、ワンコ用のお水やフードは持参して行かなくては。自分のバッグも持って、それからわんこさんを連れて。実際にこんな訓練を決行したことはありません。まさに机上の空論。緊急時にそんな用意周到な行動ができるかどうかは分かりませんが、とんでもない大荷物になりそうですが、どれも省略できない重要項目。

 

わんこさんが元気な頃はわんこさんをリードに繋ぎ、ともに歩いて逃げるという想定でした。もうどうしようもなかったら、例えば後ろから水がすぐそこまで迫ってきていたら、足が速いわんこさんだけでも助かってほしいから、最後にはリードを外そう。自由に行動できたとしてもわんこさんなら他の人たちに迷惑をかけないで生き延びられるでしょう?それだけのしつけはしてきたつもりだよ。そんな風に思っていました。

 

脳梗塞を起こし、介護ワンコになってからの避難想定。フードやお水以外にも、わんこさんの生活必需品は増えていました。長距離が歩けないわんこさんを歩かせて移動するのはもう無理です。大きなリュックサックのメインポケットにわんこさんそのものを入れて。左右のサイドポケットには入るだけのフードやお水や介護用品を詰め込んで。自分の荷物は背中側に背負って、わんこさんを入れたリュックサックはおなか側に抱え込む。わんこさんを直に抱っこしていたのでは、ずり落ちてきたりしそうで危ないものね。万一転んだ時に、わんこさんを放り出してしまいかねないもんね。介護ワンコを抱えていた一昨年は私なりの危機管理で、いざという時はそうやって避難しようと考えていました。傍から見たら、おかしな格好です。しかも重たくてさっさと歩けるかどうか分かりませんが、そうするしかないのです。

 

地震の不安のない場所は、残念ながらこの国にはないでしょう。それ以外にも水害、大火、その他さまざまな理由で、いつ避難が必要になるかは誰にもわかりません。そんな日が来ないことを望みますが、今日はそうなった場合に、自分がどのような行動をとったらいいのかを改めて考えて、備える機会。

 

介護ワンコだったわんこさんは、今は虹の橋にお引越しをして、遠いかの地で穏やかに暮らしているはずです。我が家には自力避難のできない者は今のところ存在しません。だから、私は家族の安全を確保できたら、今度は弱い立場にある方々を支えなければいけないのです。我先に逃げ出さずに、思いやりと勇気を発動させなければならない。今は人生の上でそういう役回りの時期にいることに、私はわんこさんと一緒に暮らす中で気づかされたから。

でも、もし時間に余裕があるのなら、わんこさんの遺骨を納めた置物、ミニわんこさんを取りに行くほんの数十秒の猶予をください。ポケットに入れる小さな置物は私にとっての宝物、もう二度と手に入れることのできない、わんこさんがかつて存在していた名残の品。

 

それから、もしできれば、皆さまそれぞれに諸事情があるのは分かりますが、せっかく避難してきたペットちゃんを避難所から遠くに排斥することなく、何とか共存できる方法がないのか考えてほしいと思います。余裕がなくストレスいっぱいの中で、混乱した状況下での無理難題ですが、せっかく避難してきたペットちゃんが不安の中、せめて飼い主と寄り添い過ごすことが、どうか叶ってほしいと犬バカの私は願っています。