日本列島に中ほどに位置する三重県は、千の顔を持つ旅行先だ。太平洋に向けて突き出した紀伊半島でも、南北にまたがっており、変化にとんだ気候のためだ。

南部は、亜熱帯植物で覆われた異国的な情趣で、東部は伊勢平野や伊勢志摩国立公園が混在する独特な地形で、北部は標高1000メートルを超える鈴鹿山脈の山岳で楽しむスキーで有名だ。自然公園が全面積の3分の1を超える。三重県の属する関西地方は、130年余り前に東京へと首都を移すまでは、日本の中心だったところ。だから、日本の昔ながらの趣を味わうことができる。代表的なところは伊勢神宮。太陽を象徴する女神、天照大神を祭っているが、年間600万人が訪れる。温泉リゾートの白山ココパリゾートも人気が高い。ここの榊原温泉地帯は、日本の3大温泉のひとつだ。ゴルフコースも多様であり、家族連れの旅行に最適だ。


●3つのホテルの一味違う温泉


ココパリゾートがあるのは、津市の郊外。津市は三重県の県庁の所在地だ。うっそうとした森林に取り囲まれたリゾートの風景は飛びぬけてすばらしい。これを背景にそれぞれ違うスタイルの3つのホテルが目に入る。


シャトーフェニックスホテルは、リゾートが一望できる山の中腹にある。ハワイ風のリゾートホテルだが、異国的であり、古風な味わいが感じられる。もうひとつは、つつじの花びらをかたどって設計した円柱形のアジェリアホテル。どの客室も広くて青いゴルフ場のフェアウェイが広がる。各階ごとの客室は6室のみ。家族連れの旅行客がよく訪れるという。最後は、丸太宿舎のコッテージ。緑の芝生が海のように広がるゴルフコースの一角に位置している。カップル向けの2人用の部屋や、カラオケボックスまで備えた4人用の部屋の2種類だが、気が休まる上、趣のある宿だった。


このうち、温泉施設を備えているのは、シャトーフェニックスホテルやアジェリアホテル。榊原温泉は硫黄成分を多く含んでおり、皮膚病や婦人病に効き目があると知られている。シャトーフェニックスホテルの大浴場は、とりわけ印象深かった。露天風呂に体をつければ、正面にゴルフ場やフェアウェイを取り囲んだうっそうとした森林が織りなす素敵な自然の風景が広がる。


アジェリアホテルには、室内温泉プールがあった。温泉浴とともに、水遊びのできる施設で、1年中利用できる。フィットネスセンターやテニスコート、ゴルフ練習場(無料)、マッサージセンターなどもある。散歩や自転車乗りも同リゾートの主な休養テーマ。温泉浴を済ませた後、自転車を借りて、リゾートの周辺を一周してみよう。四方に広がった森や渓谷を見れば、胸がすっきりする。真夜中の遊歩道には特別なプレゼントも用意されている。夜空にちりばめられた星や尻尾に明かりをつけて飛び回る蛍が、それだ。


●歩いて5~20分かかるゴルフ場も3つ


ココパリゾートで楽しむレジャーの核心はほかならぬゴルフ。白山ビレッジ・ゴルフクラブ(GC)や三重白山GC、フィニックスGCの3つのゴルフ場を備えている。歩いて5~20分の距離だ。


このうち、白山ビレッジゴルフクラブ(36ホール)は、規模が大きいほうだ。周辺の山の形や景色を活かして設計した9ホールのコースが4つある。アジェリアホテルの客室やプールから見下ろすゴルフ場が、ここだ。三重白山GCは18ホール、7015ヤードの高級コース。美しい青山高原を見下ろしながら、プレーする気分が最高だ。コースの上下が変化に富んでおり、散歩のコースとしてもよく使われる。


三重フィニックスGCは、ホールごとに椰子の木を植え、南国の趣をかもし出す。周辺はうっそうとした森なので、プレーしながら森林浴も楽しめるコースだ。プレーが終われば、露天風呂で温泉浴をしながら飲むほろ苦い味のいっぱいのビール、この世にうらやましいことなんて、一つもない。シャトーフェニックスホテルへ行けば、絶対味わってみなければならないものがある。松坂牛肉料理だ。北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記が楽しんだことで有名だが、日本でも、「芸術レベル」と評価される上等品だ。この牛肉で作った代表的な料理はしゃぶしゃぶ。三重県のもうひとつの特産品であるイセエビもいっしょに出る。


アジェリアホテルのフランス料理や鉄板焼きも試してみてほしい。1階のレストランでは、全面ガラスを通じて、赤く染まった夕焼けを見ながら、ディナーを楽しむことができるが、ワインの種類も相当レベルが高い。

 【洞爺湖】胆振管内洞爺湖町の洞爺湖温泉利用協同組合(川南明則代表)が洞爺湖温泉の排湯を利用して省エネを図る「ヒートポンプシステム」を導入することになり、四日、同温泉街で起工式を行った。年間約三百キロリットル分の重油省エネ効果が見込まれ、来年の北海道洞爺湖サミットを控えて地域ぐるみの環境対策が注目される。完成は来年二月上旬の予定。

 同組合は源泉をタンクに一時的にためて、源泉の温度変化に合わせて重油ボイラーで湯温を調整し、加入するホテル・旅館など五十七軒に給湯している。

 給湯後のお湯は利用後、下水道に流されていたが、三五度程度の熱が残っていることに注目。これを二段階に分けてヒートポンプで熱交換し、五○度に高めた温泉を給湯タンクに送り込むことにした。

 これにより、温泉の温度調整のために使われていた重油代が年間約二千万円削減、二酸化炭素を45%削減できると期待されている。

 温泉街ぐるみのヒートポンプ利用は全国でも初の試みで、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のモデル事業に採用された。約二億円の事業費のうち50%の補助を受け、残る一億円のうち30%を洞爺湖町から補助を受ける。

(北海道新聞 2007/09/06)



 内風呂やスーパー銭湯に押され年々数を減らしている銭湯が、スクラムを組んで対策に乗り出した。銭湯離れに歯止めをかけようと、若者、高齢者、観光客とターゲットを絞ってあの手この手でPRしている。燃料高騰など厳しい環境下、地道な取り組みは実を結ぶか。 (下崎千加)

 九州一の繁華街、天神に近い「本庄湯」(福岡市中央区)。日が沈むと、会社員や近所のお年寄りが次々とのれんをくぐる。410円の料金と一緒に差し出すのは2つ折りのカードだ。番台の店主、石川栄(たか)昭(あき)さん(72)はスタンプを1つ押した。

 市内の22軒の銭湯でつくる福岡県公衆浴場生活衛生同業組合福岡支部は、7月からスタンプラリーを始めた。どの銭湯でも30回の利用で無料券が1枚もらえる。本庄湯では8月末までに15人がカード1枚をいっぱいにした。石川さんは「3日に1回通っていた人が、2日に1回になるかな」と期待を抱く。

 同支部では今年1月から、「スポーツ応援銭湯」と銘打って、スポーツ愛好者の着替え場所として脱衣所を提供、運動後に入浴してもらう取り組みも始めた。大濠公園(同区)近くの「大手門浴場」では「夕方からジョギング客が10人ほど新しくみえるようになった」と効果も現れ始めた。

 この秋、「ふれあいデー」として、福岡、北九州両市内の10軒の銭湯をお年寄りに無料開放する日を設け、保健師らが健康相談に応じたりする。

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 温泉地ということもあり、大阪、東京などに次いで全国5番目の334軒がある鹿児島県。組合は2002年にホームページを開設し、鹿児島市内の銭湯マップを掲載した。昨年は市内最大の「おはら祭」に参加し、あかすりや洗面器を配ってPRした。

 一方、全国最少の4軒しかない佐賀県の組合は、全国一安い280円(洗髪は50円増し)の料金を据え置くことを決めた。原油高騰を受け、ほとんどの都道府県でこの数年、値上げしたのとは対照的だ。「常連客が離れないことを第一に考えた」(佐賀市の松乃湯)という。

 東京都品川区では週1回の高齢者無料デーを設けたり、神奈川県では小学生の総合学習の場として提供したりと知恵を絞る。京都府では昨年から、いかに銭湯が好きかを漫才やコントで訴えるコンテストを開き、若年層獲得に乗り出している。

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 だが、状況は芳しくない。厚生労働省の調査では、2006年3月末の銭湯数は6653軒。1964年の2万3016軒をピークに減り続け、下げ止まりの兆しは見えない。銭湯の経営者は高齢者が多く、活性化のためのイベントや設備投資に取り組むだけの「体力」がない場合がほとんどだという。

 こうした状況から、国は2004年に公衆浴場法を改正し、地域住民の健康増進の場として、銭湯を活用するよう地方自治体に要請。翌年は「浴場業の振興指針」を改正し、支援に努めている。

 自宅に風呂はあっても、毎日、バスに乗って福岡市の本庄湯に通っている女性(75)は話す。「ここに来れば顔なじみに会えて会話も弾む。生きがいみたいなもんですよ」

=2007/09/04付 西日本新聞朝刊=