日本の民主主義の構造的欠陥 封印された問題

 

 

日本の民主主義の構造的欠陥について、書いておこうと思います。

 

もう何十年も前に、ふと気がついたのですが、その後誰も問題にしないので、

 

 

自民党総裁が決定した今が

問題提起に一番いいタイミングです。

 

本編

日本の政治の中心人物は内閣総理大臣です。

 

内閣総理大臣には、政権政党の党首が事実上自動的に就任します。

 

内閣総理大臣は国会で決議されるので、選挙で選ばれた国会議員の意志が反映され、民意に基づく総理大臣であると言えますが、、、国会が積極的に選んだわけではなく、国会が事実上事後的に承認するという形です。

 

実質的な話をすれば、政権与党の総裁になれば、自動的に国家の総理大臣になれるという仕組みです。

 

では、政党とはどのような存在かと言えば、日本には政党基本法と言えるものがありません。政党とは何なのかが曖昧になっています。

どこの誰が作り、いかなる政治信条もっているかが不明な結社である政党のトップが総理大臣になってしまうのです。

 

しかも、現政権与党の自民党の総裁選には、議員ではない、年会費4000円を払っている自民党員の意志が反映されます。もちろん、党員以外の意志は反映されません。

そこに、問題があります。

 

選挙で選ばれていない自民党員の意志が総裁=総理大臣の人選に反映されているのです。これが構造的欠陥1だと思います。

 

 

 

また、衆議院議員選挙の小選挙区制の弊害として、支持率・得票率43%の自民党が政権政党になってしまっていることも、問題がないとは言えません。57%の国民は自民党を支持していないのに、自民党が政権を担当しているのです。

これが構造的欠陥2

 

 

政権与党から行政府である内閣を組成することも、問題がないとは言えません。

行政(内閣)、立法、司法の3権分立が歪んでいます。選挙で多数派の政党の議員から行政を担う内閣が選ばれるのですから、行政と立法が独立しているとは言えないでしょう。この問題は憲法問題で古くから議論されている問題ですね。憲法草案者の知見不足が原因でしょう。

これが構造的欠陥3

 

おまけ、

日本の国会議員選挙は「人」を選ぶ仕組みになっています。

政策とか、公約とか政治信条ではなく、「人」です。

人柄やルックスで選んでもいいですよということになっています。

立法府の議員としての法律立案能力や法律審議能力も一切問われていません。

それもありだと思いますが、

それなら、政党ごとに政策を発表して、議員を選ぶのではなく、政党を選ぶ選挙にして、得票数に応じて国会での議決権を与えるようにすれば、少なくとも数百人に及ぶ国会議員は

不要になり、そのために支払われている議員報酬等は節約できるし、

国民が選んだ政党の議決権がもろに国会決議に反映されるので民主的な立法や政治になると思います。

 

せっかく、小選挙区で選ばれても、当選後は選挙でお世話になった政党の指示で活動しなくてはならない議員が真の政治活動ができているとは言えないと思います。

 

まだまだ、語ればいくらでも構造的欠陥があると思います。

今の制度を作った先人に敬意を払うために、更に欠陥のない制度に発展させていくのが今を生きる私達の使命でもあるのでないでしょうか?

先人のお陰で今を生きることができ、問題も認識できると思っています。

 

おそまつさまでした。