ヘファイストス -またの名をヴルカン- は陸地の中心部に住んでいた。地上の炎を司る神であり、生まれながらにして冶金術の神である。すべての美に対し心から惚れ込む芸術家でもある大変に姿醜きこの神は、時に、筆舌しがたい美しい女神たちからも特別の待遇を受けている。
ヘファイストスの妻は愛と美の女神、アフロディーテである。しかしながら、この女神は、ヘラの息子である戦時下における殺戮の美神、アーレスと恋に落ちてしまう。彼らの情事すべてを見ていた太陽神であるヘリオスから、ヘファイストスはアフロディーテとアーレスの仲を知ると、絶対に解けない網の目状のしかけを寝床につくった。アフロディーテとアーレスが床に横になるとこの網が動きを奪い、二神を捕らえた。ヘファイストスはオリンポスでの祝宴に集まる神々の目の前にこの二神をさらけだした。招待された神々は失望した。ヘファイストスは、自分がしたことの公正さを得ようと考えた。ところが、祝宴に集まってきた神々はヘファイストスをからかい、アフロディーテとアーレスは罰せられず、その場から逃げ去った。(Edith FLAMARION著, '50 fiches de mythologie gréco-romaine', Bréal社, wii訳)
よしこは、目を覚ましても一度ではすぐに起きられない。眠りの国と現実との間では自分の意識が何度かシャッフルされないと、いつもの世界に戻ってこられない。「このままずっと寝かせて欲しい」と願うのも、この意識がシャッフルされているような間だ。
内窓を閉めた部屋の中は薄暗く、何時なのかわからなかった。ベッドの中でもう一度目を閉じ、身体の向きを変える。何かに無理やり起こされた気がしないのは、時計をセットしなかったのだろう。目覚ましの音がしなかったのだから、今日は週末なのだろう。
自分の体温で温まっていない布団の部位に足が触れた。その冷たさに驚いて両足を抱えると、丸まった背中に何かがぶつかった。とたんに低い声がしたが、何かわからない言葉を二言三言いうと、よしこの後ろで再び寝息を立てた。よしこは驚くこともせず再び足を伸ばすと今度は身体の向きを180度変えて腕を伸ばし、触れたものにしがみついた。しがみついた時に、よしこの股間には何かが当たった。じっとしていると、それがやがて動き出した。
つづく