放送作家の小野高義です
オリックスの宮城投手が
大胸筋の筋損傷
で
戦線を離脱することになってしまいました
なかなかにショッキングです
ただでさえ
山本由伸投手と山崎福也投手が抜け
期待された山下舜平大投手も調子が上がらず二軍で調整中
負けない男、東晃平投手も1度負けてから勝ち星がつかなくなり
山崎颯一郎投手も山岡投手も二軍で調整
と
いくら良い投手が次から次へと登場する無尽蔵の層の厚さを誇るオリックス
といえども
さすがにたまったものではないでしょう
◇
大胸筋の損傷や断裂は
ベンチプレストかをやりすぎると
よく見られる症状で
投手ではあんまり聞かないような気がしますが
2010年には
田中将大投手も同じような症状で一時戦列を離れていたことがあるようで
昨年も中日のメヒア投手が
大胸筋の損傷で戦列を離れています
◇
宮城投手といえば
つい先日
佐々木朗希投手との直接対決で
黒星こそついたものの
自己最速の155キロを計測し
内容では圧倒し
さすが投手王国オリックスのエース
という存在感と力強さを見せつけたわけですが
身長170センチ前後の体からすれば常識外れとも言えるそのスピードに
もしかすると
体がついていけずに悲鳴を上げたのかもしれません
◇
その宮城投手と対決した佐々木朗希投手は
きょう先発して
自己最多123球を投げたものの
5失点で負け投手に
今シーズンは
球数やイニング数を意識して
1年フルで投げきることを視野に入れていることがうかがえますが
意図してかあるいは意識がそうさせてしまうのか
昨年までの出力の強さは見られません
しかしここまでのところ
故障の気配はなさそうです
◇
巨人の大勢投手は
巨人群発の160キロを記録し
さらなるバージョンアップを果たしたか
に見えた直後
右肩の違和感で緊急降板して現在離脱中
あの
いつでも160キロ出せそうな出力が戻るのかどうか
非常に心配です
◇
投手にとって
球速があるに越したことはありません
SNSの普及による情報の共有と科学的なアプローチによって
投手の平均球速は飛躍的に上がり
150キロは当たり前
速球投手とは160キロ以上
という
信じられない時代が来ようとしています
しかし
昨年の大谷選手や
メジャーの名投手たちの相次ぐトミージョン手術
などを見るにつけ
ここ最近
人間にとっての上限
というのは
もうすぐそこまで来ているか
あるいはもう上限に達してしまっているのではないか
という気がしています
どんなに理想的な投げ方でも
それ以上投げたら壊れる
というラインに
多くの選手が達しかけている
ような気がするのです
実際に
メジャーの中でも
球速を上げることこそ正義という風潮に
警鐘を鳴らす声が
日に日に大きくなっているようです
◇
じゃあどうすればいいかというと
その答えは全く考えつかないです
球速を上げると同時に
故障のメカニズムの解明がさらに進み
故障しない筋肉の付け方や筋肉のみならず弱い腱や筋の鍛え方が確立される
とか
スピード以上に効果のある
「画期的」なボールの変化のさせ方、動かし方を開発する
とか
この問題が解決する時は
野球という競技に
相当にエポックメイキング的な変化が起こる時
なのかもしれません
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした