放送作家の小野高義です
ドジャースはきょう
試合ではなくチャリティーイベントが行われ
大谷夫妻のおそろい黒コーデと薬指に光る指輪に
日本のメディアが沸き立つ中
レッドソックスで
上沢投手が
しれっとすごいことをしました
◇
メジャーデビュー戦となった上沢投手
2回を投げて被安打0のパーフェクトピッチング
デビュー戦に2回以上を投げて走者を1人も出さなかったのは、
日本人投手として初めての快挙
メジャーで最も歴史のあるレッドソックスの中でも
1958年1958年4月20日のアル・スクロール以来56年ぶりの快挙
という
なかなかにすごいことを
しれっとやってくれたもんです
◇
上沢投手といえば
日本ハムからポスティングで
レッズに移籍
しかし
メジャーではなく3A
契約金はたった2万5000ドル(約363万円)
年俸は
メジャー昇格で250万ドル(約3億6300万円)
マイナーなら22万5000ドル(約3260万円)
登板イニング数に応じて出来高が付く
という契約で
日本ハムには雀の涙ほどの譲渡金しか入らず
しかも
招待選手として
キャンプに参加し
オープン戦にも登板したものの
3試合で3被弾、防御率20・65
という
もはやサンドバッグ状態で
見てて
これはもうメジャー絶対無理だろ
と正直思ってました
◇
案の定
メジャーの昇格は見送られ
ああ、これは日本に帰国かな
と思ってたら
レッドソックスが
メジャーで契約
正直
大丈夫か?レッドソックスも
と思って
しばらく音沙汰がないなと思ったら
きのうメジャー昇格のニュースが入って
そしてきょう
この、ある意味歴史的な快挙となるナイスピッチングでした
◇
上沢投手が
オープン戦でフルボッコにされてる試合を見て
メジャーってすごいなあ
という思いと
あの上沢が…
という
寂しさみたいなものを感じました
日本代表には選ばれていないけど
日本ハムでは先発ローテーションの中心を担い
必ず試合を作ってくれる
日本が誇る一流の投手であることは間違いなく
そんな投手が
メジャーでほとんどアウトも取れずにフルボッコにっされてしまうなんて…
上沢投手レベルではメジャーに通用しない
ということはつまり
多くの日本のエース級のピッチャーが通用しない
という宣告を受けたかのような気持ちに
なってしまい
今永投手や山本由伸投手投手がメジャーをキリキリ舞いさせ
史上初の同日日本人投手3人勝利という快挙に湧いても
どこか気持ちにひっかかるものがあるのは
上沢投手がその中に入ってこられないから
ということもあったような気がしていました
しかし上沢投手は
この1日で
そのモヤモヤした気分を
吹っ飛ばしてくれました
◇
この日の上沢投手は
打者6人に対し19球を投げ
そのうち、スプリットが12球
これを130キロ 130キロ台後半
最速140キロ
と微妙な球速差で
丁寧にコーナーに投げ分けることで
相手打線を翻弄していました
ストレートの球速は140キロ台中盤で
メジャーの平均球速には及ばないけれど
バリエーションのあるスプリットを投げ分けて打ち取っていく
というスタイルは
同じレッドソックスで守護神としてワールドシリーズ制覇に導いた
上原浩治投手を彷彿とさせるものがあります
契約金363万のマイナースタート
開幕前にフルボッコの男の大逆転劇
となれば
多くの日本人ファンの喜びとなるだけでなく
メジャーを目指す多くの日本人投手に勇気を与える
という気がします
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした