放送作家の小野高義です
甲子園
きょう雨で中止になると思ったら
関西地方
意外と天気が持って
準々決勝
無事に行われました
ベスト4に残ったのは
星稜
健大高崎
中央学院
そして
報徳学園
いやー
大阪桐蔭が敗れました
確かに報徳学園は強いですし
優勝候補の一角
とは予想していましたが
昨年の春に続き今年の春も
同じ相手に負けるとは…
戦力を数値化すれば
たぶん大阪桐蔭の方が上
だとは思うんですが
大阪桐蔭の西谷監督は報徳学園の出身
ということだから
ってことではないでしょうが
相性みたいなものは
すごく感じます
◇
とはいえ
特に目立ったのは
報徳学園の
守備の良さ
ではなかったかな
と思います
特に内野手
めちゃくちゃうまいです
打球への反応が良いから守備範囲も広いし
足の運びがみんな柔らかくてスムーズなので
ボールを確実にグラブに収めるし
スローイングも安定しています
◇
報徳学園以外にも
星稜、健大高崎、中央学院
残った4チーム全て
内野の守備が
実に上手です
このセンバツは
守備力が大きくモノを言う大会になった
という事が言えると思います
言うまでもなく
低反発バットで内野ゴロが激増したことが
大いに影響しているのは間違いないでしょう
◇
日本の高校野球の伝統として
内野の守備は
1000本ノックみたいな
ノックの雨を降らせることで身につくものだ
という常識があって
練習すればするほど
ノックの雨を降らせれば降らせるほど
守備は上手くなる
と信じられてきました
だから
ぼくらの時代
というより
もっと最近まで
練習時間の大半は守備練習で
誰かがエラーしたら永遠に守備練習が終わらない連帯責任シートノック
みたいなことをする高校も少なくなく
日本野球の守備は固くて堅実
というイメージを持つ人も多いかもしれません
◇
しかし
アメリカや南米の野球に比べて
日本が1番遅れているのは
投手力でもバッティングでもなく
内野守備
です
日本人の内野手が
ほぼメジャーで通用しない
というのは歴史が証明しています
上半身の力の差
という説もありますが
韓国のキムハソン選手はゴールデングラブ賞をメジャーで取るほどの名手で
体力面は言い訳になりません
結局
技術に差がある
ということが要因だと思われます
◇
長らく日本では
ゴロは正面に入って腰を落として両手で捕球
と言われてきましたが
そこに注力するあまり
最も大切な
「ボールをグラブに収める」
「素早く握り替えて送球する」
という
ハンドリングの技術についてあまり語られることがなく
そのための体系だった練習
というのも
あまりなかった気がします
数をこなしてその真髄をつかむ選手もいるかもしれませんが
非常に確率が悪く
一部の天才にしかたどり着けない極意
みたいになってたかもしれません
◇
日本の多くの内野手は
前に出ながら
捕球する時に
グラブとボールが「ぶつかる」みたいな感覚があります
一方
上手い内野手は
ゴロが勝手にグラブに吸い込まれて
あっという間に右手に持ち替えられている
という
柔らかさ
があります
源田選手の守備なんか
まさにそうです
メジャーの選手はそれが標準装備になっている
というところが
日本のメジャーの守備力の差
ということかな
という気がしていますが
今回残った4チームの内野手
この
「柔らかさ」
を感じます
◇
おそらく
ここ数年で
守備の面でも
腰を落とせ、正面に入れ、両手で
みたいなことではない
足の運びとハンドリングの技術
が
高校野球や
中学野球の現場で体系化されてきているんじゃないか
という気がしています
もともと
日本人は手先が器用な民族
であるはずで
俊敏性も高く守備範囲も申し分ないはず
なので
今後
日本でもメジャーで活躍できる内野手が生まれる下地が
できつつあるんじゃないか
そんな希望を持ったりもした
ベスト8の4試合なのでした
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした