放送作家の小野高義です

 

きょう

わけあって

両親の実家の岡山へ行くため

品川から新幹線に乗ったその直後

 

馬込あたりで

急に新幹線のスピードが落ちて

電気が消えて暗くなって

何事かと思ったら

 

東京で震度4の地震があったそうで

 

新幹線に乗っているとそんなことは全く気づかなかったんですが

むしろ

新幹線が急に減速する違和感と

その直後に電気が止まる異変は

けっこう恐怖感ありました

 

新幹線は

安全を確認した後

10分後に走り出し

 

のぞみの停車駅

名古屋、京都、新大阪、姫路、岡山

の到着時間は10分遅れとなるところ

京都は8分遅れに回復し

岡山は6分遅れまで取り戻しました

 

それぞれの駅での在来線との乗り換えに支障が出ないように

在来線乗り換えの乗客の人数を把握しつつ

在来線の出発を遅らせるなどして調整しているのを目の当たりにすると

 

やはり日本の鉄道は世界一だな

 

と思いました

 

  ◇

 

女子マラソンの前田穂南選手が

ついに

日本新記録を更新しました

野口みずき選手が

2時間19分12秒の日本記録を打ち立てたのが

2005年8月25日のベルリンマラソン

 

19年も前のことです

 

当時は

この記録が世界3位

 

その4年前の2001年の日本記録は

高橋尚子選手の2時間19分46秒で

これは

当時の世界記録でした

 

この頃

日本の女子マラソンは

まさに世界No.1の実力と層の厚さを誇る

マラソン王国

という感じでした

 

それから20年近く経ち

今や

世界記録は

2時間11分台という

もう男子かよ

っていう高速化の時代に入っています

 

オリンピックも世界陸上も

日本のマラソンは8位入賞すれば上出来

というニュアンスになってきていますが

 

それでも

19年ぶりに記録の扉を開いたことで

 

もう一度

世界を目指せるところまで来たんじゃないか

という手応えを感じさせてくれた

 

と思います

 

  ◇

 

そもそも

前田穂南選手は

 

MGCの段階でも優勝候補の筆頭格でしたが

緊張とケガなどによる調整ミスなどが重なり

8位という結果になってしまいました

 

そんな前田選手が

オリンピック出場

最後の切符を賭けて臨んだこの大阪女子マラソン

 

二日前の記者会見で

「アレを目指します」

 

とコメントし

 

その「アレ」が

日本記録の事だった

レース後に語りました

 

  ◇

 

実は前田選手

MGCの前の会見では

「優勝を狙います」

とコメントして

自らを奮い立たせたことで

逆にそれが重圧となって

8位という不本意な結果に終わってしまいました

 

そのこともあって

敢えて

「優勝」も「記録」も口にせず

「アレ」とコメントした

ということです

 

前田選手は

阪神ファンでもあったそうです

 

  ◇

 

「アレ」は昨年の流行語大賞となりました

岡田監督の「アレ」は

まあ言葉にしなくても「優勝」の事を言ってんだろ

っていうのは100人中100人がわかること

要は阪神が強いから優勝したわけで

「アレ」

はおまけみたいなもの

 

だと思っていましたが

 

今回の前田穂南選手の

「アレ」

 

まさに秘めた想いを現実のものとする

「魔法の言葉」

となった

と言ってもいいかもしれません

 

確かに岡田監督からの拝借ではあるけれど

 

それが

優勝なのか記録なのか

その記録というのは、2時間20分切りのことなのか日本記録の事なのか

明確な想いは胸に秘めたまま

それでも「アレ」という言葉を口にすることで決意を強くしてモチベーションを高め

結果

その強い決意が

日本記録更新という秘めたる想いを実現させた

 

ということだと言えるわけで

 

それは

「アレ」という言葉を使うことによる心理的効果の最大の実証

とも言なくもないかなと思ったりして

 

実は

岡田監督の「アレ」は

単なる流行語ではなく

スポーツ界のみならず

あらゆる世界での

「成功への道」を切り開くことのできる

「魔法の言葉」

なのかもしれません

 

  ◇

 

そんな快挙達成の頃

ぼくは

岡山の天満屋ハピータウンで

お墓参りのお花を買っていました

 

前田穂南選手の所属先は

天満屋

 

これも何かの縁

 

なわけないんですが

 

前田穂南選手が日本記録を更新しても

まだ名古屋ウイメンズマラソンで

その記録を誰かが更新すれば

その選手がオリンピックに行くわけで…

 

日本女子マラソン

なかなかに目が離せなくて

パリ五輪に向けて

期待が持てますね

 

というわけできょうはこのへんで

小野高義でした