放送作家の小野高義です

 

大谷選手と山本由伸選手の大型契約が次々と報じられる中

「なんでドジャースはあんなにお金があるんだ」

という記事も目立つようになってきました

今年のプロ野球は

各球団

「暖冬」傾向

の更改で

 

日本一となった阪神は

全選手で8億3660万円の増額

となっていますが

 

山本由伸投手の契約金の1年分にも満たないし

オリックスに支払われる譲渡金は71億円で

1球団の全選手をまかなえる

 

大谷選手と山本投手の契約金合わせたらNPB57球団ぶん

と考えると

いささかスケールの小さな話に思えてきます

 

  ◇

 

いろんな記事を読んでみてわかるのは

 

放映権料の桁が違いすぎる

 

ということに尽きるようです

 

観客動員数でいったら

阪神タイガースは291万5528人で

1試合平均は4万1064人

メジャーの1試合平均で言えば

全30球団の中で2位のヤンキースが4万862人

よりも上

なので

(ちなみにメジャー一位はドジャースの4万7371人)

 

これだけ見れば球団の収益に違いはなさそうですが

 

ここに放映権料が加わることで

大きな差が生まれてくるらしいのです

 

  ◇

 

日本のプロ野球では

放映権料は各球団に帰属しますが

 

メジャーリーグは

全国放送や有料チャンネル、ネット配信などの放映権料は

球団ではなく

メジャーリーグ機構に権利があり

 

その放映権料を各球団に分配するという形をとっています

 

その他

ローカルな放送局には

各球団が権利を販売しますが

 

大きな放映権料が分配されることで

各球団は

こうしたローカル放送への放映権

そして

入場料や物販に専念して

より収入を伸ばすことが出来る

 

ということみたいです

 

  ◇

 

実は

Jリーグも

放映権料は

各クラブではなくJリーグに帰属し

 

DAZNとの契約が

2023年から2033年までの11年間で約2,395億円

 

放映権料のほとんどがこのDAZNからで

放映権料の収入は

年間194億円の放映権料があって

Jリーグ全体の経常収益は320.3億円とも言われています

 

これに対して

NPB機構の売り上げは50億円

 

むしろ各球団の方が力が強くて

各球団がNPB機構を運営している

という

実質の権限何もないみたいな感じらしいです

 

  ◇

 

各球団に資金力があって

それぞれが独立採算制

という文化でここまでやってきているんだから

それでいいし

それが日本の文化と風土に合っている

 

というのは

もちろんそれはそうだろうなあ

 

と思いつつ

 

このやり方では

一生メジャーリーグには追いつけないだろうな

 

というのもまた事実

でもあります

 

日本のプロ野球が

メジャーリーグへのステップ

割り切る

という考え方もなくはないでしょう

 

事実

高校野球は

プロ野球へのステップでしかないはずなのに

むしろ

プロ野球より注目されたり人気があったりもします

 

  ◇

 

個人的には

 

日本のプロ野球が

メジャーへのステップの舞台となろうがなんだろうが

 

結果

メジャー活躍する選手がどんどん増えることで

「空洞化」が起こる

 

なんてことはたぶんない

 

と思っています

 

むしろ

メジャーに行くことすら「できなくなる」

という現象が来た時こそが

野球界の危機なんだろうな

 

という気がします

 

そのために必要なのは

野球って夢のある仕事だよな

って思えることが重要で

 

今のところ

どんどん選手がメジャーに行ってくれた方が

裾野が広がって良い選手が増えるんじゃないかな

 

と思ったりしてみるクリスマス終わりの夜なのでした

 

というわけできょうはこのへんで

小野高義でした