放送作家の小野高義です
昨日発表されたベストナインですが
その投票の中で
「記者のおふざけ票が散見される」
と
少しザワついています
例えば
セ・リーグの捕手部門では
今季21試合の出場で打率・125、0本塁打、0打点の巨人・小林誠司捕手
三塁手部門では
86試合出場で打率・215、0本塁打、14打点の中日・高橋周平選手
遊撃手部門では
114試合の出場で打率・187、1本塁打、18打点の中日・龍空選手
にそれぞれ一票ずつ入っていました
パ・リーグのMVP投票では
満票確定と思われた山本由伸投手の他に
平野投手に一票だけ入っていました
◇
ベストナインの投票は
全国の新聞社、通信社、放送局のプロ野球記者で
取材歴5年以上のキャリアを持つ者
で
誰が誰に投票したかが開かされることのない
「匿名投票」
です
これが
おふざけ票の温床になっている
と指摘されています
◇
確かに
SNSが発達した今
投票記者の氏名が公表されることは
誹謗中傷のターゲットになる可能性をふくらませる危険がある
ということはあります
が
そもそも昔はSNSなんてなかったし
その昔からの匿名制度です
メジャーリーグは
完全に記名投票で
誰が誰に投票したかがわかります
◇
おふざけ票が
本当に
おふざけ票
であるなら
真剣な投票の場でふざけるという事に対する非難は
されるべきです
しかし
根拠があっての投票であれば
たとえたった一票であれ
堂々とその根拠を述べれば良いだけだと思います
むしろ
記者たるもの
おふざけと言われることが腹立たしく感じて
言論なりペンなりで主張する性分でなくてはならない
という気がします
◇
日本の野球界は
かつては
親会社が新聞社
っていうところが多数だったりしたので
球団への忖度だったり
逆に球団からの圧だったり
という見えない力が
今の何十倍も強く働いていたことも事実で
それらの忖度から逃れ厳正な投票をするための
「匿名」
だったと思います
しかし時代は変わり
かつてあった見えない力は弱まり
風通しが良くなり
制限のたがははずれてきたような気がします
◇
むしろ言われのない誹謗中傷が力を持った今
個人情報をさらされる危険
は考慮しながら
せめて
投票した記者の所属先の新聞社
くらいまでは公表してもいいんじゃないかな
という気がします
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした