放送作家の小野高義です
いつの間にか始まっていつの間にか幕を閉じる事でおなじみの
明治神宮大会
大学の部は
慶応大学が青山学院を破って優勝
高校、大学と揃って日本一という
慶応OBはますます気分いいんだろうなあ
という結果となりました
リリーフで登板した阪神ドラフト1位の下村海斗投手の押し出しフォアボール
その後満塁でリリーフした
広島ドラフト1位常廣羽也斗投手が浴びた犠牲フライの2失点
でしたが
阪神ドラフト1位の下村投手は2つのエラーで招いたピンチからの押し出し
常廣投手は犠牲フライのみ
ともに
1本もヒットを打たれることなく点を奪われ
晴に続く連覇を狙った青山学院にとっては
悔しさが残る最後の戦いとなりました
2点目の犠牲フライを放ったのは
ソフトバンク3位指名の廣瀬選手
大学最高峰の舞台で存在感を見せた3人のプロでの活躍も期待したいです
◇
そんな明治神宮大会の高校の部は
星稜高校が
実に32年ぶり
松井秀喜氏の代以来の優勝を果たしました
奥川君とかもいた、すんごい強い時代もあって
もっと優勝してたイメージがあったので
けっこう意外でした
やはり
日本各地の地区大会を勝ち上がった強豪が集まる
出られるだけでも奇跡みたいなこの大会で
優勝するのがどれだけむずかしいか
ということなのですが
その大会で昨年まで連覇していた大阪桐蔭高校が
いかに強いか
ということでもあります
しかし
そんな大阪桐蔭も初戦で敗れるという波乱
大阪桐蔭だけでなく
昨年
その大阪桐蔭と決勝を戦った広陵高校も
エース高尾君を残しながら
初戦で敗退
という
波乱が続いたのが
今年の明治神宮大会でした
◇
常連だった仙台育英は出場を逃し
青森山田高校が久々に出場
強豪揃いの東海地区からは豊川高校が初登場
関東からは
ここ数年、栃木大会敗退も多かった作新学院
東京からも
関東一高が明治神宮大会は久しぶりの出場
ここ2、3年とは
また違う風を感じる顔ぶれが揃っていました
そんな中
やはり目を引いたのは
愛知県の豊川高校でした
最初明治神宮大会に豊川高校の名前があって
名古屋方面も勢力図が変わってきたのかな
と
ちょっと意外な感じもしましたが
4番のモイセエフ、ニキータ選手の出現は
衝撃的でした
◇
両親がロシア人の
愛知県生まれ愛知県育ち
大阪桐蔭のラマル選手とか
ちょっと前の万波選手とか
外国名前の高校球児のルーツは
アフリカとかアメリカとか
が多いんですが
ロシア系
っていうのは
なかなかに珍しいです
ロシアとかヨーロッパには
野球の文化ありませんからね
◇
しかし
モイセエフ選手
野球センスの塊のようなバッティングです
構えからして
「打ちそう」な
どっしりとしながら柔らかい
「中心軸のブレない」フォーム
で
広角に打ち分けて
なおかつパワーもあります
足も速いしセンターの守備も上手い
三拍子揃って
欠点らしい欠点がないです
東海大会では16打数10安打、打率.625
明治神宮大会でも 打率6割 ホームラン1本
優勝した星稜高校に
準決勝で敗れてしまいましたが
この試合でホームランを放ったのもモイセエフ選手です
来年のドラフト1位候補になれる素材だと思います
◇
野球不毛の地、ロシアにルーツを持つモイセエフ選手
まさに
スタルヒン以来の衝撃
ではないでしょうか
ロシアとかヨーロッパって
野球の文化がないだけで
野球の文化が根付いて
本気で野球に取り組んだら
えげつないくらい強いんじゃないか
と
いう気もしてくるくらいの
モイセエフ選手の野球センスと能力です
◇
豊川高校は
水泳のオリンピック選手を何人も輩出したり
スポーツは有名な学校ですが
甲子園出場は2014年選抜の一回のみ
その時は
日本文理(新潟)、池田(徳島)、沖縄尚学(沖縄)を破って
ベスト4という快進撃を見せました
来年の選抜
2度目となる10年ぶりの出場が確実の豊川高校
モイセエフ選手を中心に
10年前のような快進撃を見せることが出来たなら
スタルヒン以来の衝撃が
全国を席巻するかもしれません
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした