放送作家の小野高義です
オリックスの山本由伸投手が
きょう勝って
3年連続の15勝を達成しました
ダルビッシュ投手以来
14年ぶりの快挙だそうです
すごいですね
…という言葉だけでは足りないくらい
この令和の時代に
3年連続15勝
というのは
とてつもなくものすごい記録だということが
過去の記録を見てみるとよくわかります
◇
そもそも
ドラフトが始まってほぼ60年ですが
ドラフト制度で入団した投手が
3年連続15勝以上挙げたのは
たった15人
顔ぶれを見ると
ほぼ昭和の大投手
で
純粋に平成以降入団となると
野茂投手とダルビッシュ投手
そして山本由伸投手の
3人しかいないことになります
平成って
意外と30年もあって
令和の5年間を足すと
ドラフト制度が始まって以降
半分以上の年数が経ってることになるわけですが
その間
たった3人だけ
というのがまずいかついです
◇
…てことは
なのです
平成の怪物
松坂大輔投手
神の子
田中将大投手
でさえ
日本のプロ野球で
3年連続で15勝はできていません
松坂投手に関しては
実は
3年連続15勝
してはいるのですが
それは
西武での最終年
2006年に17勝
その翌年
レッドソックスで15勝
その翌年は18勝を挙げています
しかし
「日本のプロ野球で」
ということになると
3年連続は成し得ていないのです
平成になり
野茂投手以降の投手は
15勝を続けて出来るほどの力量があればメジャー
という道筋が出来ているので
最も良い時期にメジャー
ということもあるので
このタイミングの難しさもあります
田中将大投手に関しては
シーズン24勝0敗
というとんでもない伝説のシーズンが印象的すぎて
そのくらいのことはやってるだろう
という気もするのですが
実は
メジャーを含めても
3年連続15勝は成し得ていません
◇
この「メジャー行くか行かないか問題」
とは関係のない投手にまで遡っても
3年連続15勝は
高い壁となっています
平成最強投手と謳われた
ソフトバンク
斉藤和巳投手も
連続15勝以上は2年まで
ミスター完投
斉藤雅樹投手は
2年連続20勝
最多勝5回を獲得している
にもかかわらず
ついに一度も
「3年連続15勝以上」
を成し遂げることが出来ませんでした
同じ時期に三本柱として活躍した
桑田真澄投手も
ミスターパーフェクト
槇原博巳投手も
3年連続
はできていません
◇
21世紀になり
令和になり
投手の分業制は進み
メジャーへの道は開かれ
15勝どころか
10勝以上すれば
最多勝が見えてくる時代
3年連続でそれを成し遂げてしまう投手が
いかにすごいか
「3年」を「連続」してできるところが
またすごいところです
3年連続で好調を維持するのが
いかに難しいかということを
この記録の達成者の少なさが物語っています
◇
WBCがあった今年
例年にはない調整の難しさがある中
山本由伸投手は
前年のフォームを変更して
WBCに間に合わせ
シーズンに入って
調整不足やコンディション不良
による離脱もありつつ
シーズン序盤は
今いちペースがつかめていなさそうな姿もありながら
気がつけば
勝利数は積み重なり
2年連続でノーヒットノーランまでやってしまい
唯一2位に甘んじていた奪三振数も
きょう
種市投手を抜いて1位になり…
3年連続投手4冠が見えてきました
3年連続投手4冠は
何年ぶりとかではなく
史上初
だそうです
◇
今シーズンのオフは
大谷選手のFAで
その移籍金額に注目が集まりそうですが
山本由伸投手に動く金額もまた
去年の吉田正尚投手を遙かに凌ぐ
とんでもない額になるかもしれません
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした