放送作家の小野高義です

 

日曜日

ですが

甲子園はお休みです

 

その代わり

と言ってはなんですが

世界陸上が始まりました

 

ぼくはもちろんスポーツの中で

野球が断トツに大好きなのですが

たぶんその次くらいに陸上見るのは好きです

 

自分足遅いんですが

長距離はまあまあ走れる自信あります

 

そもそも人が走ったり投げたりする姿を見るのが

子供の頃からなんか好きだった気がします

 

球速を上げるために

ほぼ毎日なんらかの走りのメニュー入れてるので

短距離長距離の走るフォームとか

以前よりも興味津々で見てたりします

 

  ◇

 

きのうは廣中選手が女子10000メートル7位入賞

サニブラウン選手と柳田選手が100メートル予選突破

 

きょう

400メートルで佐藤選手が32年ぶりに高野選手の日本記録を破って準決勝進出

同時に3人揃って予選突破の快挙

110メートルハードルも日本人3人予選突破

 

そして

サニブラウン選手も

準決勝着順でファイナル進出を決めて

前回とは一段階レベルアップしたところを見せるなど

 

日本人も活躍してて

やっぱり陸上おもしれーなー

 

と思いながら見てる中で

 

なんか足らないなー

と感じるのは

 

やっぱり織田裕二氏がいないから

なんだと思います

  ◇

 

たとえば

きのうの

女子10000メートル

最後の最後でオランダのハッサン選手が金メダル寸前で転倒したシーンとか

 

織田裕二氏がいたら

「ハッサン~」

と叫ぶ姿が目に浮かびますし

 

400メートル日本新記録を織田裕二氏が目の前にしたら

涙流して喜んでたんじゃないか

もう条件反射的に想像してしまい

 

なのに

そのシーンがないとわかると

 

すごくさみしいし

何かひと味足りない味気なさ

を感じてしまうのは

 

きっとぼくだけではないはずです

 

  ◇

 

降板の理由は本人の意向

と表向きには伝えられていますが

 

高額なギャラが見合わない

という要因は

小さくないと思います

 

制作費削減が叫ばれはじめて

かれこれ10年以上が経って

その状況は改善されるどころか

さらに拍車がかかっている状態で

まわりからはオワコンだのなんだの言われまくって

あれは無駄だこれは無駄だと

中からも外からも言われ

テレビ業界はますますしみったれた現場になってしまうんじゃないかなあ

思ったりします

 

  ◇

 

確かに

世界陸上とは

世界中の超人的トップアスリートが頂上を賭けて戦う

という

優秀なスポーツコンテンツであり

 

MCだのイメージキャラクターだのは二の次で

大会の成功と選手の活躍こそが魅力

 

であることは間違いありません

 

しかし

 

そんな世界陸上をここまで日本人の誰もが知るコンテンツにしたのは

織田裕二のキャスターとしてのテンションとかコメントとか

ガチの熱い思いみたいな熱量とかが

陸上をあまり知らない層、興味がそれほどなかった層をも引き込む力があって

 

世界陸上は

陸上競技中継というジャンルを超えたソフトになった

 

という気がします

 

  ◇

 

25年間キャスターを続けていく中で

賛否両論もいろいろあったけど

 

それでも

良くも悪くも

「織田裕二の世界陸上」

は定着しました

 

言うなればブランドのロゴのようなものです

 

エルメスやシャネルのロゴのついていないカバンは

ただのカバンです

 

  ◇

 

TBSに限らず

 

どんどん現場がしみったれてきたこともあって

 

無駄なものは無駄と切り捨てる傾向は強まっています

 

もちろん

全ての無駄が無駄ではないということではなく

むしろ

無駄の多かった昔のテレビから無駄をそぎ落とし本質を削り出した番組が

増えていくのは、いいことだと思います

 

しかし

無駄に見えて実は必要なこと

というのは

けっこうあるのではないか

 

と思います

 

  ◇

 

これはテレビに限らず

ではありますが

 

本質を見抜き削り出していくことは

簡単ではないけれど

それをやれるかやれないかが問われる時代

なんじゃないかなと思います

 

さあ

100メートル準決勝

見なきゃ

 

というわけできょうはこのへんで

小野高義でした