放送作家の小野高義です

 

オリックスの山下舜平大投手が

きょうも見事なピッチングで

6回を0失点

リーグトップとなる7勝目を挙げました

今や

新人王争いは頭二つほど抜け出た感もありますが

このまま行くと

最多勝獲得も

現実味を帯びてきました

 

現在

オリックスは70試合を消化しているので

ほぼ半分

 

単純計算でいけば

山下投手

14勝か15勝のペース

ということになり

 

最多勝の勝利数としても

恥ずかしくない数です

 

  ◇

 

ちなみに防御率も

1,36

パ・リーグトップの

高橋光成投手の1,92を

上回っている…

 

…のですが

 

トップでないのは

規定投球回に達していないからです

 

  ◇

 

きょう6回を投げて

山下投手の投球回数は

59回2/3

規定投球回に10イニングちょっと足りません

 

10イニングちょっとなら

一見

届きそうな気もしないでもないのですが

 

山下投手の登板間隔が

中8日~10日

という期間で

 

毎試合の投球回数がおおむね100球に到達する

6回か7回

ということを考えると

 

チームが

6試合から7試合消化して

山下投手が6回くらい投球回を増やす

というペースなので

結局

最後まで到達しないんじゃないか

 

ということになりそうな気配が濃厚です

 

  ◇

 

とはいえ

無理に投球回数を増やすと

無理が故障を招く危険や

故障まで行かなくとも

今の好調さに陰りが出る危険もあり

 

つまり

このペースでやっていったほうが

勝ち星も順調に増えて

最多勝の芽も出てきそう

 

ということを考えると

 

チームとしても

このペースは守ると考えられ

 

そうなると

 

規定投球回に到達しない最多勝投手

 

が誕生することになります

 

  ◇

 

すごく珍しい記録…

 

…にも見えますが

 

実は

2リーグ制になってから

 

「規定投球回未到達最多勝」

は3人います

 

2020年

ソフトバンクの石川柊汰投手が11勝4敗で最多勝

しかし

規定投球回には8イニングほど足りませんでした

ちなみにこの年は

同じソフトバンクの千賀滉大投手

楽天の涌井秀章投手も11勝で

3人が同時に最多勝を獲得しています

 

そして

2005年には

阪神の下柳投手が

24先発で132.1イニングを投げ、15勝3敗で最多勝獲得

防御率2.99

でしたが規定投球回に13.2イニング届きませんでした

この時は

広島の黒田博樹投手と最多勝をわけあっています

 

そして

1985年には

ヤクルトの伊東昭光投手が

18勝9敗で最多勝を獲得

 

伊東投手は

すべてリリーフとして55試合に登板してこの勝利数

というのがいかにも時代ですが

 

規定投球回に足りなかったとはいえ

122.2イニングも投げていた

というのも

また昭和だな

という気がします

 

ちなみにこの年は

中日の小野和之投手も18勝を挙げ

最多勝に輝いています

 

  ◇

 

そして

今年の最多勝争いを見てみると

 

山下投手が単独1位で

一つ下の6勝に6人も並ぶ大混戦なのですが

 

その上位7人のうち

なんと4人がオリックスの投手なんですね

 

 

山下投手

山本由伸投手

宮城大弥投手

山崎福也投手

 

いずれも

先発投手が同じ勝利数を挙げて最多勝争いをしてるんだから

そら首位にいるわ

 

ってことなんですが

 

このままいくと

オリックスから複数人の最多勝が誕生する可能性もけっこうあるぞ

 

ということです

 

  ◇

 

ちなみに

 

今まで

同じチームから同一シーズンに最多勝が出たのは

 

2リーグ制になってから

4度

 

2020年の

石川柊太投手と千賀投手が11勝

 

1996年

巨人の斎藤雅樹投手とガルベス投手が16勝

1993年

中日の山本昌広投手と今中慎二投手が17勝

1988年

日本ハムの西崎幸広投手と松浦宏明投手が15勝

 

という感じです

 

同一チームから同一シーズンで

3人以上の最多勝を出したことはありません

 

オリックス投手陣

 

今年は

そんな

史上初をも予感させるシーズンで

 

後半戦

ますます楽しみですね

 

というわけできょうはこのへんで

小野高義でした