放送作家の小野高義です
まさかまさか
日本がスペインに勝ってしまうとは…
早起きというか
もはや徹夜して
睡眠サイクルぐちゃぐちゃですが
起きてた甲斐ががありました
三苫選手の折り返しのボールですが
ボールの面がラインを超えても球体の一部が立体的にラインにかかってれば生きている
という
基本的ルール
実は知らなかったので
完全に出てるんじゃねえかと思ってましたが
最新技術のおかげで
後ろめたい気持ちもなくゴール
ということで良かったです
ちなみに
この技術を開発したのは
ドイツの方
らしいです
このゴールがドイツの決勝進出を阻んだことにもなるので
皮肉なものですねえ…
◇
決勝進出の相手は
クロアチア
ということになりました
W杯では
3回目の対戦となります
7回の出場で
3回も対戦する
というのは
なかなかゆかりの深い相手ではないかな
と思います
ぼくのなかでは
1998年
日本が初出場した
フランスW杯の2戦目
が印象的でした
この時は
アルゼンチン、クロアチア、ジャマイカ
と同組
クロアチアは
当時ACミランのボバン選手を中心に
ヨーロッパの主要リーグで活躍する圧倒的な個人技の選手が揃い
「東欧のブラジル」
と呼ばれてました
この
「東欧のブラジル」
っていうワードが
インパクト強かったです
そして
優勝候補のアルゼンチンも同組で
まさに
今年のE組を彷彿とさせるような地獄のグループでした
そんなクロアチアと
結果的には
0-1で負けました
優勝候補のアルゼンチンにも
0-1
3戦全売でグループリーグ敗退
ではありましたけど
今思えば
初出場で
けっこう大健闘なんじゃないかな
と思います
この時の代表監督は
岡ちゃんこと
岡田武史監督でした
◇
以来
7回連続でW杯に出場している日本代表
ですが
その結果は
1998年 フランス大会 グループL敗退
2002年 日韓大会 ベスト16
2006年 ドイツ大会 グループL敗退
2010年 南アフリカ大会 ベスト16
2014年 ドイツ大会 グループL敗退
2018年 ロシア大会 ベスト16
と
グループL敗退とベスト16進出を
1大会ごと
交互に繰り返していました
順番で行くと
今回は
グループL敗退の順番
ですが
それが崩れました
◇
そしてもう一つ
その時の代表監督を見てみると
1998年 フランス大会 グループL敗退 岡田武史監督
2002年 日韓大会 ベスト16 トルシエ監督
2006年 ドイツ大会 グループL敗退 ジーコ監督
2010年 南アフリカ大会 ベスト16 岡田武史監督
2014年 ドイツ大会 グループL敗退 ザッケローニ監督
2018年 ロシア大会 ベスト16 西野朗監督
と
決勝トーナメントに進出したのは
トルシエ監督を除いて
みな日本人監督
そして
今回
法則的にはグループL敗退の年でしたが
日本人の
森保一監督が
見事決勝トーナメント進出を果たしました
◇
個人的には
日韓大会は
地の利があるので例外
と考えて
日本人監督の時の方が
明らかにW杯で好成績
というのは
偶然ではない
と思ったりしています
ぼくは
サッカーのことは
そんなに専門的なことまでわかりませんが
チームの動きとか機能の仕方、連動性みたいなこととか
そういうものの完成度が
明らかに
日本人監督の方が仕上がりが良い
と素人目には見えていました
あくまで個人の感想です
◇
サッカーは
奥州を中心に回っているので
最先端の技術や戦術を取り入れたり
世界の強国やクラブとの関わり
という面でも
外国人監督のメリットは大きい
と
理屈上そうであることはわかりますが
なんでか
外国人監督が率いる代表チームは
どこかギクシャクして
うまくチームがまわっていない
という印象があります
あくまで個人の感想です
◇
そして
あくまで個人の推測ですが
これはたぶん
サッカーに限らず
日本人個人は
外国の組織でも役割を果たせるけれど
日本人の集団を
外国人が率いるのは
非常に難しいし
ほぼ無理なんじゃないか
とさえ思います
◇
日本人は単一民族であるだけでなく
あうんの呼吸
というか
「言わなくてもわかるでしょ」
「察しろよ」
みたいなことが
DNAレベルで染みついている
世界でも非常に珍しい国民性の民族
だと思います
で
外国人には
そういう
集団内の
見えない相性や呼吸
みたいなものが理解しがたく
理論的にはこっちの方が良い
という考えの元で指示を出しても
集団内で理解し合っている
「いや、こっちの方がうまくいくんだけどな」
という相性や組み合わせとなんか違って
そこらへんをおもんぱかれない外国人リーダーと
どんどんギクシャクしていき
リーダーと組織の溝がどんどん深くなっていく
っていう感じなんじゃないかな
と思います
カルロスゴーンは
経営理論的に正しい方法で
日産を立て直したけど
結局
日本人の集団との間に出来ていた溝は
本人の知らぬところで致命的に深くなり
結果
会社を追われることになったりしましたし…
特に
サッカーみたいな
まさにあうんの呼吸を極限まで突き詰めた競技の
監督と選手の間では
外国人監督が理解しがたいそんな性質は
成功を阻むものでしかない
のかもしれません
◇
野球でも
外国人監督がちゃんと成功したのって
ボビーバレンタイン
くらいじゃないかな
と思うんですよね
もちろん
日本代表の監督をアメリカ人がやるなんてことは
とうてい考えられません
そもそも国のレベルが高い
というのはありますが
それらのレベルの高さは
ベースボール
ではなく
それを一段階
日本の「野球」という世界で咀嚼し醸造されたもの
だから
メジャーの一流の監督でも
日本の監督をやるなんてのは
無理だし上手くいかない
と思うのです
◇
海外のメディアが
「ハジメモリヤスは戦術の天才だ」
と森保一に賞賛を送っています
ボールポゼッション率17%
圧倒的にボールを持たれながらも
後半の選手交代で的を混乱に陥れる…
それも
日本人の集団で戦う最適解を持っている
からこその
「天才的な戦術」
そしてそれを遂行できる
日本人集団
であって
これぞ
日本代表チームでしか出来ない戦い方
でもあると思います
クロアチア戦が楽しみですね
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした