放送作家の小野高義です
連休の合間であんまり天気も良くなくて
プロ野球もお休みの中
東大は早稲田に8回まで0-0の同点
と踏ん張っていたものの
8回に失点して9回にももう2点
で惜しくも黒星
勝ち点は2勝でつくので
あと一戦
来週に行われる予定ですが
勝ち点目指してがんばってほしいものです
◇
大学野球
といえば
海の向こうアメリカの一人の大学生が
なにやら
とんでもないことになっています
大学生なのに
170キロ投げる投手が現れたそうです
ベン・ジョイス
という投手で
中黒入れずにパソコンで変換すると
トイレットな意味合いになってちょっとよろしくないですが
まあ
名前はともかく
誤計測かなんかじゃないのか
と思って
YouTube映像見たら
確かにそのくらい出ててもおかしくない
えぐい速さでした
ほとんどの球が
165キロ以上らしいです
なおかつ
スライダーとかも
この世のものとは思えない
ピンポン球みたいな変化をしてました
◇
速球といえば
日本には佐々木朗希投手がいます
ストレートは100球投げても160キロ以上を楽々計測するポテンシャルは
このベン・ジョイスに
ひけをとりません
佐々木朗希投手
20歳
身長191㎝
この若さと恵まれた体格は
共通点でもあります
ベンジョイス投手
現在大学4年生の21歳
佐々木朗希投手の一学年上
身長は195㎝
佐々木朗希投手より4㎝高い
ですが
まあ
体のサイズに関しては互角
といっても良いでしょう
しかし
一つだけ
全く違うな
と思うのは
そのピッチングフォームです
◇
佐々木朗希投手のフォームは
野球関係者が100人いたら
100人が絶賛する
超絶美しいフォームです
山岡泰輔投手が
そのまま身長20㎝大きくなったような
柔軟性とバネをフルに活かして
191㎝の体のパワーを
全てボールに乗せた
非の打ちどころのないフォーム
だと思います
◇
一方
ベン・ジョイス投手のフォームですが
なかなかにやべえ投げ方です
いわゆるアーム投げ
ですが
日本でよく見かける
腕が天秤みたいに縦回転に勢いよく動く
シーソー投げ型のアーム投げ
というより
テイクバックで無理矢理トップを作って
そのまま力任せに腕を振る
みたいな
最も
肩をいわしてしまいそうな
ぱっと見
日本のピッチングコーチ100人が見たら100人が直したくなる
ような
やべえ投げ方
に見えます。
◇
例えば
佐々木朗希投手と同じ身長で
そのフォームを完コピすれば
(まあ、それをするのが超絶むずかしいわけですが)
164キロを計測することは可能
な気がします
世界最速169キロ投手
チャップマンも
それなりの身長に、それなりの胸郭の柔らかさがあれば
それなりの球速を出せる
ような
理にかなったフォーム
だと思います
しかし
ベン・ジョイス投手の投げ方で170キロ投げる人間は
この地球上に存在しないのではないか
という気がします
近年
SNSなどの発達で
技術的なメカニズムが解き明かされるにつれ
球速を上げるトレーニングやフォームの理論は
進化し続けています
しかし
そういうものを超越して
やはり
「球速とは生まれ持った才能なのだ」
という
凄みというか
ある種の絶望感
みたいなものを
このベン・ジョイス投手の動画からは
感じてしまいます
◇
現在大学4年生の
ベン・ジョイス投手
今年7月の全米ドラフトの
超目玉となることは間違いありません
このフォームでこれだけのボールを投げて
メジャーの舞台で
それを続けて
肩肘がどういうことになるのか
それはわかりません
多くの若い速球投手が
早々とトミージョン手術で再建手術の道を辿るように
ベン・ジョイス投手も
その運命は必然かもしれないし
そうではないかもしれません。
一方で
「フォームの伸びしろ」
があることは間違いなく
球速を出すための
さらに有効なフォームを手に入れたとすれば
現在の170キロが172キロにも175キロにもなるかもしれない
と考えると
ますます恐ろしい投手です
◇
一方
佐々木朗希投手ですが
こちらは
ベン・ジョイス投手の
隆々とした体格に比べればまだまだスリムで
出力自体は発展途上
ということは間違いなく
この出力がさらに上がれば
170キロの壁をぶち破る
「身体面の伸びしろ」
は
ベン・ジョイス投手と同じか
それ以上のロマンを抱かせるのではないか
と個人的には思ってます
いずれにしてもすごい時代になったもんですね
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした