放送作家の小野高義です
きょうの高校野球
大阪桐蔭が近江に逆転負け
正直
まさか
と思いました。
大阪桐蔭の先発は背番号10の竹中くん
で
リリーフも背番号15の2年生川原くん
エースの松浦くんは最後まで登板せず
154キロ投手
関戸康介くんは
この夏
地方予選も含めて
1試合も投げずに
高校生活を終わることになってしまいました。
西谷監督はは否定されていましたが
やはり
球数制限の影響が
あるのではないか
という気がしてなりません。
2回戦最後の試合を戦うこの2チームは
決勝まで戦うことを想定したら
最も厳しい日程を強いられるわけで
優勝が使命の名門強豪校としては
エースが投げなくて良い場面であれば
他に投手もいるのだから投げさせないほうがいい
という心理が働くのは
無理からぬことだとは思います。
竹中くんも川原くんも
とにかく素晴らしい投手で
他の高校なら背番号1を背負える投手なので
松浦くんの状態がちょっとでも思わしくないと判断したら
「無理をしてでもエース」
という発想にはならないのでしょう。
◇
確かに
試合展開としては
エース出さなくても行けるのではないか
と思っても仕方ない序盤の流れでした。
初回
大阪桐蔭がいきなりの3得点
で
続く2回も松尾くんのホームランで4点差
完全に大阪桐蔭の勝ちゲームの展開
だったのですが
3回から一点ずつを返し
気づけば1点差
この1点の積み重ねが
大阪桐蔭のリズムをさらに狂わせて
近江高校に流れが傾き
その流れを止めることが出来ぬまま
大阪桐蔭の敗退になった
というゲームでした。
◇
3年前
近江高校で
有馬諒捕手とのバッテリーで甲子園を沸かせた
左腕の林優樹投手(現西濃運輸)
が
ツイッターで
「大金星でも何でもない」
「これが近江高校の野球」
と熱く綴った上で
「3回のスクイズが全てだった」
と言っています。
大金星でもなんでも無い。
— 林 優樹 (@TTRYY1029) August 23, 2021
近江の野球ができたから勝てた。
3回のスクイズが全てだと思います。
見てる人からしたらなんで?って思うかもしれませんが監督は強豪校に勝つには3点差とずっと僕は言われてきました。攻撃は1点ずつ、守備は粘って粘って後半勝負。これがまさに近江の野球。すごいの一言。
確かに
昨今の野球の常識は
序盤での送りバント、スクイズは非効率
で
まだ3回で4点差もあるのに
みすみすアウト一つを献上するスクイズ
という選択は
昭和のカビの生えた野球と揶揄されてもおかしくない先方
ですが
結果、そういう選択をした近江高校は勝ちました。
「強豪校に勝つには3点差」
という
近江の多賀章仁監督の信念です。
その信念というものが
新しかろうが古かろうが
ブレない心の強さがあるならば
そのチームは
勝利に近づくことが出来る
ということを思い知らされたようなゲームでした。
◇
近江の多賀監督や明徳義塾の馬淵監督
経験豊かな名将が甲子園を盛り上げている
そんな大会でもある気がしました
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした