放送作家の小野高義です
高校野球
心配してましたけど
行われましたね!
さすが阪神園芸!
東京はどしゃ降りでしたけど
テレビ見たら意外と晴れてました。
とはいえ
夜半すぎまでの雨の影響で
試合開始は大幅に遅れて
3時間遅れの
11時開始。
3時間遅れということは
通常の1試合とちょっとぶん遅れて始まる
ということで
5試合ぶんやるみたいな
なかなかにチャレンジングなスケジュールですが
1試合でもこぼすことで
休養日を削ることになってしまうので
仕方のないところでしょう。
◇
この試合開始の遅れによって
4試合目の試合終了がどえらいことになりそうだ
というのは始まる前からわかっていたことで
テレビ欄も
最初からEテレでの中継を前提としてました。
子供の頃から高校野球見てて
ナイターで試合時間がどんどん押し込んでくると
なんだか妙にワクワクしてテンション上がってしまいます。
最も印象的なのは
甲子園史上最高の試合と言われる
星稜ー簑島の延長18回の熱闘
で
この試合の終了時刻は
19時56分。
あと
1981年の
北陽ー名古屋電気高校の
工藤公康と高木宣宏投手の延長12回の投げ合いも
ナイターでテンション上がりました。
そんな名勝負が生まれるかもしれないという期待感もあってか
第4試合が
どえらい遅くまでずれ込むと
なんかテンション上がってきたりして
第4試合目の試合開始時間が押し込んでくると
なんか
へんな期待感が生まれたりしてました。
◇
自分で高校野球をやるようになって
さらに大人になって高校野球を見続けても
選手たち当事者にとってはたまんないだろうけど
見てる方としてはどうしてもテンション上がってしまう自分がいて
きょうの試合開始時間3時間押し
というのは
何かこう
歴史的な何かが起こりそうな予感すらさせる1日のはじまり
となったのでした。
◇
開会式から7日目にして迎えた
大会第3日
3日前のやりなおしとなった第1試合は
明桜が先生を許しつつも
風間球打くんが
今大会最速の150キロを記録
第2試合は
県立岐阜商と明徳義塾高校
という
鍛冶舎巧監督と馬淵監督の
名将対決
9回まで同点であわや延長というゲームは
明徳義塾のサヨナラ勝ち
第3試合は
大会No.1左腕の木村大成くん擁する北海高校と
神戸国際大学附属高校の試合
奇しくも春の選抜と同じ対決となったこの試合
神戸国際は
先発の阪上くん
と
2番手左腕の楠本くん
が
いずれも素晴らしいピッチング
阪上くんは
本格的に投手を始めたのは高校入ってからで
打者としても通算30本の強打者
ですが
きょう
最速148キロくらい出てて
ピッチャーとしても実に良いな
と思いました。
木村大成くんは試合後、プロ入りを明言していましたが
阪上くんも
ドラフトを賑わしそうな気がします。
この試合も
2-1と1点差。
延長戦にもつれ込んでもおかしくない
ナイスゲームで
迎えた第4試合
高川学園ー小松大谷高校の試合が始まった時
時計はすでに
19時10分となっていました
◇
記録に残っている最も遅い試合開始時刻は
2007年の
89回大会の大会7日目、
興南ー文星芸大附属高校の試合が
18時29分に試合開始
で
終了は
20時43分でした
ちなみにこの日は
第3試合が
佐賀北高校ー宇治山田高校の対戦で
延長15回引き分け
の大熱戦だったことが
試合開始が遅れた大きな要因
だったようです。
そう
この年は
佐賀北高校が優勝して
「がばい旋風」
を巻き起こした年でしたね。
◇
しかし
公式に記録は残っていないものの
さらに遡ると
さらに遅い試合開始と終了時刻があって
最も遅い開始時刻は第47回(1965年)の報徳学園(兵庫)―広陵(広島)で午後6時50分。
そして
最も終了時間が遅い試合は
1969年(昭和43年)大会の第1日の第4試合
津久見高校ー高岡商業の試合の終了が
21時27分でした。
この試合がなんでこんなに遅くなったか
というと
この1968年大会は
50回記念大会
開会式で
皇太子明仁親王が挨拶を述べられるなど
特別な大会で
出場校も
当時アメリカ占領下だった沖縄県を含め
北海道も北と南の二校で
全48校が出場と
当時としては最多の出場校。
日程もかなりきつめだったようで
開会式があった後から4試合が組まれていた
ということで
試合開始が
おそらく10時30分頃だったんおではないか(すいません未確認です)
なので
当然第4試合の終了時刻も遅くなった
ということのようです。
◇
で
この日迎えた第4試合
高川学園ー小松大谷高校
序盤は
高川学園のミスなどもあって
小松大谷高校が大きくリードする展開
でしたが
高川学園が4回に
先発、北方くんを捉えはじめ
4番、立石くんのホームランなどで勢いに乗り始めます。
立石くん
ホームランの後もセンターオーバーのスリーベース
センターへの打球が伸びる良いバッターですね
1点差のまま試合が終盤に入り
8回裏、ついに同点に追いつき
もしや延長?
という展開になります。
9回表
小松大谷高校の攻撃は0点に終わり
スコアは6-6
そして
この時、時計は21時27分
そう
ちょうど
今から53年前の甲子園
最も遅い試合終了の時刻と同じ
というところが運命的ですね。
◇
そして9回裏
7回途中からマウンドを受け継いだ
2年生の岩野くんが
粘り強く高川学園の攻撃を凌ぎながらも
1アウトランナー1,2塁に。
ライトからマウンドに戻った吉田くんがフォアボールを出して
ランナー満塁
そして次の打者にカウント2-3
あと一球で全てが決まるその場面で
ライトの守備についた岩野くんが
足をつってうずくまってしまいました。
リリーフでの投球がいかに過酷なものだったかがわかるシーンでした。
そしてその直後
吉田くん渾身のストレートは
無情にも高めに外れて押し出しのフォアボール
7-6で
高川学園の勝利
終了時刻は21時40分
最も遅い試合終了時間となった試合は
まさに歴史に残る
壮絶な名勝負でした!
負けた小松大谷高校のキャプテン
木下くんは
開会式で選手宣誓を務めました。
「この夢の甲子園で高校球児の真(まこと)の姿を見せることを誓います」
その真の姿
歴史的な1試合で
しっかりと目に焼き付けました!
ありがとう!お疲れ様!
小松大谷高校、高川学園の選手たち
というわけできょうはこのへんで
小野高義でした