放送作家の小野高義です

東京都のコロナ感染者が10名という発表があり
そもそもPCR検査が絶望的に低いということもあるから
何とも言えないけれど
元から低い中の比較論に置いても感染者が減っている
ということは事実、ではあり


39県においては
14日以降、緊急事態宣言の解除もありそうで
 

自粛からの解放ムードが
全国レベルで漂い始めております。

  ◇

そんな中
少年野球の指導者をしている後輩くんから
「これはいいですね」
という記事が送られてきて
読んでみると確かに良い記事だったので
ちょっと紹介したいと思います。

コチラ

  ↓

日本屈指の進学校、開成野球部監督の「最終公式戦」への熱い思い

ざっくり言うと
開成高校野球部の監督が
自身のFacebookに
「高校3年生の最終公式戦をどのようなかたちでも確保する」
という趣旨の提言をした
という記事です。

  ◇

開成高校といえば
言わずと知れたあの超超超名門進学校!
偏差値、東大合格者数
ともに日本最高峰の高校です。
 

野球部の部員たちにとって野球がすべて
ではなく
他の生徒と同様に、教育における部活動の一貫
です。

そんな開成高校の野球部監督が発信する提言
だからこそ意味があります。

この青木監督は、

東大の野球部出身で

高校野球部の監督であると同時に
開成高校の体育教師。
 

「多くの方々が今日明日の命を守る活動に必死な状況で、のんきに野球の話をすることは不謹慎のそしりを免れませんが、感染の終息が見えてから考え始めるのでは手遅れともなりかねません」

と断りつつも

長文で熱い思いをつづっています。
 

「8月の全国高校総体の中止が発表されました。しかし、この流れを受け、何らの模索もなく『右へならえ』で夏の甲子園大会ならびに都道府県予選が中止になることを私は危惧しています」

という書き出し
そして
「常識外れな発想や各方面に少々無理を強いることも選択肢に含めつつ、模索する必要があります。あらゆる常識から解放されればその時間はまだあります」

模索することの重要性を熱く説いています。


「甲子園にこだわらない」「9回が無理なら7回、5回でも」
といくつもの選択肢をあげ
「全く見当はずれな考えもあると思います。これを指摘していただいたり、新しい考え方や案を多くの方が持ち寄り議論することが『模索』です」
「感染や医療現場の状況に合わせて、その現状で許される最大限のことを模索する努力は必要なのではないかと思います」


訴えているのは

3年生がかわいそう、とか野球は特別だという単純な感情論ではなく


右習えの思考停止ではない「模索する努力」の重要性。

 

図らずも

ぼくがこのブログで幾度となく書いてきたこと

 

インターハイが中止だから野球がやるとは何事だ、やめるべきだ
という安易な右習えは思考停止であり
自粛という正義を過剰に振りかざす自粛警察の暴走と何ら変わりない

 

高校野球夏の大会、無観客でも堂々とやればいい

プロ野球が開幕延期でも高校野球は無観客でも良いからやるべきだ

選抜高校野球を中止に追い込んだ本当のクソッたれ

 

という主張と合致するところが多くて

偏差値遙か上の方の意見が合うことに

ほんのりうれしさをかんじます(笑)

 

偏差値の高い学校の先生が言うから
という偏差値至上主義では決してありません

こうした高校の野球部が発信する
ということにも、とても大きな意味があります。

 

  ◇

 

「模索する努力」

これこそまさに「教育」ではないか
と思います。

実は開成高校野球部
グラウンドでの練習は週1回。
それでも、強豪ひしめく東東京でベスト16に進出するなど
決して弱小校ではありません。
素質と体力に劣り、限られた練習時間しかない開成野球部を支えるのは
やはり「考える力」「模索する力」です。
開成野球のセオリーは
守備を捨てて打撃に集中し、失点を覚悟の上、一気に大量得点を挙げてコールド勝ちを狙うというもの。

さらに、青木監督は、2018年
一度監督を辞任したことがあるそうです。


というのも
「戦力があるのになぜ試合で発揮できないのか。生徒たちが自分で考えないからです。指示を待っているから即座に的確な判断ができない。ならば生徒に監督をやらせる。ベンチの選手全員が監督になればいいんです」
という理由で
2年生の野球部員が登録上の監督に。

その年の初戦の相手は巨人阿部捕手の出身校、名門、安田学園、。
8回まで3-2とリードするという大善戦。
(結果は8回裏大量得点を許し、11-3のコールド負け)

野球という競技の正解は一つではなく無限にある。
その無限にある正解を模索するからこそ
野球はおもしろいし
そこに教育という側面もある
と開成野球部と青木監督は教えてくれているようで

競技人口の減少が危惧される野球というスポーツの
こうした「模索すること」「考えること」の側面をもっともっと打ち出す事ができたなら
野球を部活動として選ぶ上での、新たな魅力と選択肢の創出につながり
広い裾野の競技人口開拓ができるのではないか
と思ったりしました。

というわけできょうはこのへんで
小野高義でした