放送作家の小野高義です

 

プロ志望届が締め切られました。

 

佐々木朗希投手もギリギリでプロ志望届けを提出

これで

奥川恭伸投手

西純矢投手

及川雅貴投手と

ビッグ4と呼ばれた高校生の本格派たちが揃って

ドラフトを待つことになりました。

 

楽しみですね。

 

  ◇

 

プロ志望届ってものがないとドラフトにも指名されない

という制度が出来上がったのは

2004年のことです。

 

それまでは

大学や社会人に行くと思われた選手が急に指名されたりとか

というドラマがあったり

 

どのリストにも載っていなかった思わぬ隠し玉選手が急に指名されたり…

ということもありました。

 

そういう

「お前誰やねん?」という無名の選手がドラフトにかかるかも…

といったドラマチックな要素がかつてのドラフトにはあって

そういうのをうまくついたのが

水島新司先生の

野球狂の詩の水原勇気ですよね

 

野球部さえないような高校生が1位指名で

誰だ誰だとザワザワしていたら

実はソフトボール部の女子高生で

本人も指名されるなんて夢にも思わなかった…

 

って展開。

 

ロマンありますよね。

 

  ◇

 

まあそこまでいかなくても…

 

どの情報網にも引っかかってない

誰もが「え?」って思うような名前が呼ばれた時の

胸躍るようなざわめきを

かつてのドラフトは期待することが出来ました。

 

ぼくら世代の高校球児にとっては

理屈上は

野球部員全員がドラフト候補で

「おれ急に指名されたらどーすんべ?」

という

限りなくゼロに近い2億分の1くらいの確率の出来事を

とりあえず想像してみる

というバカ丸出しの考えを巡らせたりしたことがあるのではないでしょうか。

 

ゼロではないですからね。可能性だけは。

 

  ◇

 

しかし、ドラマチックであるが故に

たとえば工藤公康投手の熊谷組内定を覆してのドラフト指名、入団

とか

早大志望のはずの桑田を巨人がまさかの1位指名、涙の清原西武入団

とか

駒澤大学に合格していた城島をダイエーが強行指名

とか

プロアマ間で様々な問題が絶えず

 

また

ドラフト前にプロと接触するために退部届を出さなければならないことから

学校の管理が行き届かなくなり

規律違反が目立つようになった

ということがあって

2004年からプロ志望届が制度化されたようです。

 

まあ、ドラマ性は薄れたけれど

妙なだまし合いとか裏切りとかドロドロとかがなくなって

健全ではあるとは思いますが…

 

  ◇

 

さて

そんなわけで

高校生でプロ志望届を提出する

ということは

本人は間違いなくプロに進む

という明確な意思があるわけで

高校時代に注目された選手なら

良い大学からの条件の良い誘いも数多あったはずですが

そういう退路を断っているわけですから

そこにはそれ相応の覚悟なりがあると思います。

 

先に挙げた

高校ビッグ4をはじめ

プロ志望届を出すべくして出した選手もいる一方

 

「え?プロ志望届け出したんだ?」

ちょっと意外に思った選手も何人かいました。

 

野球の実力うんぬんでなく

高校から即プロ

というタイプと

どちらかというと大学野球が似合いそうで、大学で華々しく活躍する姿が想像できるタイプ

ってのがいるわけで

それは例えば

ポジションとか性格とか体格とか、

あるいは学校とか

もっといえばその選手の持ってる雰囲気だとか…

 

客観的なものと主観的なものがあるんですが

 

特に

「意外だけどちょっと楽しみ」

という

いかにも大学行きそうだった選手が

ぼく的に2名います。

 

  ◇

 

一人目は

桐蔭高校の森敬斗選手。

50メートル5秒8

遠投120メートル

というエグい身体能力の持ち主で

秋季関東大会では

劇的なサヨナラ満塁ホームランをはじめ

桐蔭学園優勝の立役者となりました。

 

走攻守申し分ない超一流の実力で

そのポテンシャルは根尾以上

という評価もあるほどですが…

 

 

身長は175㎝とそれほど大きくないのと

プレーは伸びしろ充分だが逆に言うとまだ荒削り

 

そしてなんといっても

彼の学校が

桐蔭学園

ってことですよね。

 

桐蔭学園って

かつては東大に100人レベルで合格していた

言わずと知れた超進学校で

東大合格者数は今はそれほどでもないらしいですが

それでも

卒業生のほとんどは大学進学していますし

早慶、MARCHにもうじゃうじゃ合格者がいて

指定校推薦の枠もわんさか持ってます。

 

聞くところによると

学校の成績がどうあれ

野球部には

いろんな大学の枠があって

何の不自由なく名のある大学に行けるし

森くんぐらいの実績と実力があれば

東京六大学からいくらでも誘いがあるはずです。

 

個人的には

森くん、慶応のユニフォームとか似合いそうだなあ…

 

と思ってたんですけどね。

 

ちなみに

桐蔭学園から直接プロに入るとなると

 

なんと44年ぶり!

 

ロッテの水上善雄選手以来となります!

 

 

水上…良い選手でしたよね!

 

あとシーズンオフ

バラエティー出るといろいろおもしろかった!

 

当時さんま御殿とかジャンクスポーツとかあれば

かなりの人気者になってたと思います。

 

さて

森選手

ドラフト何位で指名されるのでしょうか?

 

そしてどんな選手になるのでしょうか?

 

期待しましょう!

 

  ◇

 

もう一人

プロ志望届が意外だった選手が

 

武田高校の

谷岡楓太投手!

 

広島にある山奥の進学校で

野球では無名だった武田高校のエースで

最速152キロを出して話題となりました。

 

 

特に

高校野球ファンをザワつかせていたのが

谷岡投手が

中学時代は無名軟式チームの二番手投手という全くパッとしない選手だったということ

そして

武田高校が一日50分しか練習しない

という常識を覆すチームだった

ということです。

 

ぼくも武田高校と谷岡投手のそうした背景にはただならぬロマンを感じてしまい

過去にもブログに書かせていただいたりして

      ↓

原因の原因を考えなさい (深い…)

 

その後の動向にも注目してきました。

 

広島大会は

3回戦で惜しくも負けてしまい

全国の舞台でその姿を見ることは出来ませんでしたが…

 

学校は進学校だし

練習方法も本人も頭が良さそうで理論派だし

大学行ったら

さらに進化するだろうなあ

だから

当然、大学進学だろうなあ…

と思っていたのですが…

 

武田高校の練習時間の短さと方法論でここまでの選手になったのだから

伸びしろはこの上ない

とは思うのですが

いきなり

最高峰のプロのレベルとは

かなりのギャップがあるのではないか

という不安もあるし

そもそも谷岡投手

身長175㎝とそれほど上背があるわけでもない…

 

頭の良い選手だから

そういう自己分析もあった上で

それでもプロを目指す覚悟を決めた

ということは

彼なりの強い覚悟

自己分析を経た上でのプロを目指すだけの根拠と自信

があるのかもしれません。

 

それほどの強い思いと覚悟があってのプロ志望届

 

もしかしたら

高校野球時代と同じように

プロ野球の常識を覆す投手になってくれるかもしれない…

 

そんな期待を持ってドラフトを楽しみに待ちたい

と思います。

 

  ◇

 

さらに大学生では

超名門

国立名古屋大学の148㎞左腕

松田亘哲投手

もプロ志望届を出しました!

 

 

メガネが秀才っぽくていいですよね。

 

松田投手

ただ頭がいいだけじゃなく

高校時代は

なんとバレーボール部!

 

中学までは野球をやっていたのですが

身長が低くて

希望だった投手をあきらめ

高校進学を機に野球を辞め

バレーボールを始めましたが

名古屋大学進学後

野球に対するくすぶった思いが未だある事に気づき

わりかしゆるめの硬式野球部に入部。

 

最初は球速120㎞足らずでしたが

トレーニング、食事、投球フォーム

あらゆる面から理論的にレベルを挙げていき

気がつけば最速148㎞のプロ注目投手に

   ↓

切ない現実と夢のある話

 

名門国立大卒のドラフト指名というのは

ただでさえ夢があるのに

松田選手の場合

高校野球未経験

というのもマンガレベルに夢のある話ではあります。

 

果たしてドラフトで松田選手の名前は呼ばれるのか?

 

注目しましょう!

 

というわけできょうはこのへんで

小野高義でした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もともとは

プロと交渉するためには退部届を出せば良かっただけだったのですが