湘南ビーチFM『Hits Around The Clock』2024/05/19 & 2024/06/16

2024年5月選曲「ロックンロール・パート3」

2024年6月選曲「多少ベタでもよかろうの初夏」

お聞きくださった皆様、ありがとうございました!

(曲解説遅くなってごめんなさい!)

 

「ロックンロール・パート3」2024/05/19

 

・The Golden Age of Rock 'N' Roll / Mott The Hoople 1974

 ちょうど50年前、この頃のイギリスのサウンドで流行っていたのが低音のサックス(バリトンかしらん)が入るアレンジだったのですが、これって有名でしょうかね。多分ちょっと懐古趣味みたいのもあったかと思うのですがジョージ・ハリスンもマーク・ボランも低いサックス入ってましたよね。何だか他にもあったような気がするんですが思い出せませんすみません。ああでも色々思い出してきたぞー。あれもこれもかそうかそうか次回かけよう。

 

・Rock 'n' Roll Suicide / David Bowie 1972

 それにしても何と面妖なコード進行であることか。軽量級のプログレなんかよりもずっとコードが多くて転調も激しい。それでもそれがバラバラにならないのは歌とメロディーがしっかりしているからに他ならない。そんな当たり前のことを2024年の今、思い知っているところで御座います。この曲は住宅街の狭い道を、荷物をどっさり積んだ車(トラックではない)が夜遅くに猛スピードで走り抜けていくような、怪談めいた感じが致します。

 

・Rockin’ Roll Baby / The Stylistics 1973

 ロックンロールでなくロッキンロールですよ。古今東西、世の中広しと云えど、ロッキンロールはこの曲一曲だけではないかしらん。他にもあるのかなロッキンロール。ロッケンロールもないな。ロケンローとは云うけれど。何のこっちゃ。

 

・Let's Go Rock And Roll / KC & The Sunshine Band 1979

 番組内でも触れましたが、KCの変わり様ったら。巨大な丸いKCでまだ現役でがんばってるようです。人事ではありません。痩せよう。ちなみにKCの本名はハリー・ウェイン・ケイシー Harry Wayne Casey です。知ってましたよね。

 

・Rock and Roll Love Letter / Bay City Rollers 1975

 イイ曲ですよねー。女の子向けとかお子様向けとか云われましたが、ローラーズは名曲揃いのバンドです。やっぱりサタデーナイトが素晴らしいよねー。セカンドシングルのマネーハニーもダイスキデス。

 

・Rock & Roll People (Live) / Johnny Winter 1976

 番組内でも申し上げましたが、ジョン・レノンの曲です。ジョニー・ウィンターのために書いた曲とか。本人が歌うバージョンも存在します。このライブ盤『Captured Live』はフランク・マリノの『Live』と並んでワタシのギターバイブルです。こんな風に弾けたらなと思っていたらそれとはまた違う感じの自分になってしまっているのを随分前から自覚はしておりますがまあそれでも基本はやはりこの高速ブルーズギターなんだよなーとしみじみ思う61歳の初夏だから。

 

・Rock and Roll Doctor / Little Feat 1974

 このローウェル・ジョージのスライドギターの延々と伸びる感じがチョウド50年前かーと思い、スライドも練習しとけばなーと思ったりもしますが、こちらは老後の楽しみに取っておこうかと。あと50年くらい先のことになるでしょうが。

 

・Rock 'N' Roll Mood / Loggins and Messina 1971 

 カッコイイなー。それにしてもピアノが良い音で録れてるなー。最近は60年代後半から70年代初頭にかけてのレコーディングされたサウンドの豊かさに瞠目しております。今はどうやってもこんなにしっかりした空間の音って捉えることが出来ないですよね。機材とか技術とかでなく、時代の空気、正にムードなんでしょうね。70年代中盤はもっと空間と云うよりも心象になって、後半は情報になったかと思うのです。何のこっちゃですね。

 

・I Love Rock ’N Roll / Joan Jett & The Blackhearts 1982 

 サウンドがソリッドで心がじりじりします。ああ80年代だなーと思います。この先もっともっとソリッドな時代になりますが、色々な物事が入れ替わって、完全に時代が変わったんですね。今こうして距離が出来たからこそハッキリ見えるのか。そんな中でロックンロールだけがしぶとく生き残っている。もしかしたら人類が滅びてもロックンロールだけは生き残るのではないか。いや、人類が生まれる前からロックンロールは存在したのではないか。ロックンロールとは何か。あまり考えすぎると眠れなくなるので(ただでさえ夜更かしなのに)やめます。

 

・Rock & Rollers / Angel 1975

 イントロのドラムフィル1小節の後、イントロAの8小節で鳴り響くメロトロンの人声(8Choir)こそがロックンロールです。それ以降一切出てこないのもロックンロールです。ロックンロール! 

 

・Sphere of Innocence / Allan Holdsworth 1992

 エンディング曲。

 

「多少ベタでもよかろうの初夏」2024/06/16

 

・The Spirit of Radio / Rush 1980

 もうどうしてもこのギターイントロで始めたかったんですが今回の選曲。ワタシの中ではベタ中のベタ。全てのパートを覚えております。エアーでなら出来ます。ギターソロは覚えてはいるけれどこの偶然の産物のギューンと上がるのは再現不可能。ご本人もライブでは毎回違います。一度きりしか来日しなかった様々なアーティストの中でラッシュを1984年に観られたのは奇跡みたいなものでした。巨人に来たクロマティ選手のおかげ(ラッシュと仲良かったのよ・クロマティ選手もバンドやってドラム叩いてたし)だと今でも感謝しております。

 

・Hell Bent For Leather / Judas Priest 1978

 ジューダスも2度目の来日公演を観ました、ってこれは何度も何度も書いてるわよね。帰りの中央線に飛び乗ったらドアに見事に挟まれたのを思い出します。挟まれた後はどうしたかと云えば、グッと両手でドアをこじ開けましたとさ。俺って力持ちーみたいな勘違いしてましたすみません。

 

・Purple Haze / Jimi Hendrix Experience 1967

 ジューダスと11年差があるんです。紫のけむりです。この邦題はスバラシイと思います。直訳だけど何だか情緒がある。けむりが平仮名なのも良い。紫の煙、だと後のディープパープルっぽいやね。色々な人がカバーしてますが、やはりこのオリジナルこそが最もイノセントで最も罪深いかと思います。

 

・Whatever Gets You Thru the Night / John Lennon 1975

 ジョン・レノン初めてのシングルチャート1位獲得曲。かなり雑雑としておりますがこれも時代性でしょうね。この頃のエルトン・ジョンってスゴイなー。全てを凌駕している。それがジョンだろうが誰だろうが。ピアノのパワーが違う。こんな風にピアノをぶっ叩いた人はリトル・リチャードとかファッツ・ドミノとかそのくらいしかいないんじゃないか。いやいや、きっともっといるんだろうな。でもこのパワーで至高の美しさも兼ね備えるんだからやっぱりスゴイ。すみません全然ジョン話しなくて。この曲はリアルタイムで中学生の頃に聴いたので、鶴見の第二京浜(国道1号線)の眼鏡橋の下辺りで真夜中を突っ走る感じです。デニーズの辺りね。鶴見一国店。でもそこは二国なんだよね。面倒な話なのでまたにします。

 

・China Grove / The Doobie Brothers 1973

 誰もが弾くギターイントロシリーズの代表曲ベスト10に入るのではないか。Smoke on the Water、Burn、などパープルも多いけれど、ドゥービーは、Listen to the Music、Long Train Runnin'、そしてこの曲と多いのです。そう云えば以前ニューヨークの楽器屋でギターを試奏している時、ドゥービーを弾いても無反応だったのが、Focus のHocus Pocusを弾いたら急に店員が寄ってきてフレンドリーに話しかけてきたので驚いたことが御座います。イントロは大事です。

 

・Tush / Z Z Top 1975

 このイントロも弾くでしょう。ラッシュ弾く人は少ないな。マホガニーラッシュはもっと少ない。エレクトリックサンも少なかろう。トライアンフはもっともっと少ないと思う。それにしても3小節目からの気合いがスゴイ。ドラムは叩いていると云うよりも操縦とか運転とかをしている感じ。全体的に宝石のよう。曲がね。

 

・Riders On The Storm / The Doors 1971 

 この曲さえあれば何かの栄養が永続的に補給出来る。雷も雨もトレモロもリヴァーブもジムモリソンも豊かに実っている。ドアーズの木、か。世界樹のようなものか。何が世界の中心にあるか。何が終わって何が始まるか。どう繰り返すのか。どうもこうもないか。終わりなき思索が、空の隅の方にまで響き渡るように、どこまでも飛んで行くのだった。雨が降っていても、雲の上は晴れているんだよね。

 

・Venus and Mars - Rock Show / Wings 1975

 この曲で英語をいっぱい覚えたなー中学生の頃。sports arena、waiting for the show to begin、a good friends of mine、to and fro、we'll be there、などなど。ジミー・ペイジもこの曲で知りました。それにしてもイントロのモノシンセの音たるや。12弦アコースティックのサウンドも美しいけれど、このモノシンセの音で一発で昔の気持ちに持って行かれる。余程自分の心の奥底にこうした時代のサウンドが刺さっているのだなと自分でもビックリします。

 

・Burn / Deep Purple 1975

 番組内でも話しましたが、つい先日渋谷の『壁の穴』と云う老舗のスパゲティ専門店に参りまして、たらこスパゲッティをオーダーして、待っておりましたら店内の音楽が急にバーンに切り替わったわけです。それまでは最近っぽい曲がかかっていたので全くノーマークだったところに青天の霹靂のバーンです。やはり自分の心にしっかり刺さっている曲ですので、思わずエアドラムをしてしまいそうになり、思い止まりましたが、急に気持ちがそわそわして落ち着かなくなったのです。どうしたら良いのこう云う時。そう云えば近所のスーパーマーケットで買い物をしていた時に急に店内放送で10cc の I'm not in Love がかかってその場で動けなくなってしまったこともありました。そのスーパーではKC & The Sunshine Band の Get Down Tonight にも攻撃されたことがあって、思わず一緒に歌ってしまいそうになって慌てました。それはそうとバーンがかかった次の曲のイントロでたらこスパゲッティがやって来ました。その曲は次回の最初にかけます。

 

・Sphere of Innocence / Allan Holdsworth 1992

 エンディング曲。

 

お楽しみ戴けましたでしょうか。

次回は2024年7月、第3週の日曜日、2024年7月21日がワタシの出番です。

よろしくどうぞ!