湘南ビーチFM『Hits Around The Clock』2023/04/16

2023年4月選曲「カッチャーン、チャッキーン

お聞きくださった皆様、ありがとうございました!

 

・Walking on the Moon / The Police 1979 

・Driven to Tears / The Police 1980 

 そんなわけでカッチャーン、チャッキーンのギターサウンドの始祖とも呼べるポリスのアンディ・サマーズからスタートであります。番組内でもお話しした通り、この頃までにかけてレコーディング技術が機材などの発達と共に急激に向上した時期でありまして、その中でギターサウンドの減衰や反響や残響を利用して全体の音世界を革新的に進歩させたアーティストの一人がアンディ・サマーズであり、ポリスであったと思うのです。ダブエフェクトなどジャマイカのレゲエミュージックの影響もかなり受けていたとも思います。その辺の難しい話はともかく、Waliking on the Moonはワタシのスキな曲(甘くない方面)のベスト10に入るんです。自分の頭の中に新しい闇を作ってくれた音楽です。Driven to Tearsもその闇の中にある曲。ポリスには他に何曲か自分にとって特別な曲があって、いつか並べて全部かけてみたい。そう云えばDriven to Tearsのリードギターはワタシの中の変なギターソロセレクション上位にランクするものです。ああまだ書きたいことある止まらない。

 

・Mihalis / David Gilmour 1978

 これまたワタシを異次元に誘う曲。ピンク・フロイドの1977年発表『Animals』でロジャー・ウォータースがバンドのイニシアチブを取って、ギルモアはギルモアでこのシンプルながら重苦しい雰囲気のソロアルバム『David Gilmour』を1978年に発表。澄み切っているが闇の深い曲ばかり。その極北がこのオープニングのインストナンバー。カッチャーンでなくジャリーンですが、その後のチャッキーンに通じる空間の広がりがあります。歌がないからこそ通じる気持ちや意味もあると思うのです。この曲が80年代のFENの番組の終わりにかかることがあって、それはそれは当時の若いワタシは真夜中の奥深くまで魂を連れ去られてしまったものでした。もしかしたらまだ帰ってきてないのか。どうなんだろう。

 

・Elephant Talk / King Crimson 1981

 デヴィッド・ボウイのバンドやトーキング・ヘッズにいたエイドリアン・ブリューがキング・クリムゾンに加入したなんてどう云うことかと思っていたら想像の遥か上を行くサウンドが飛び出して来たのでした。最初は理解が及ばずに拒否反応を起こしましたが、聴いているうちに段々とその面白さや斬新さが判るようになって、愛聴盤に昇格。今でも謎が多くて解析道半ば。象の鳴き声を模したギターサウンドのエフェクトやアーミングの話などはまた後日にするとして(きっとメチャ長くなる)このバッキングのカッチャーンの威風堂々とした鳴り。今聴いても惚れ惚れと致します。

 

・Tears / Missing Persons 1982

 今月もやって参りましたミッシング・パーソンズ。この曲などは明らかにポリスの影響下にありますが、それでもそれなりにちゃんとウォーレン・ククルロでテリー・ボジオなんですね。その辺の時代性と云うか音楽性のせめぎ合いと云うか思いきりと云うか迷いと云うかそう云うのが感じられるアナログレコードB面1曲目なんです。これをお手本にした日本のバンドもいっぱいいたと思うのです。そうでもないのかな。どうなんだろう。

 

・Sunshine in the Shade / Fixx 1984

・Built for the Future / Fixx 1986

 好きでたまにかけているThe Fixxであります。ギタリストはジェイミー・ウェスト・オーラム。カッチャーン、チャッキーンサウンドの代表格の人です。サウンドの秘密は「Valley People dyna-mite」と云うコンプレッサー(ダイナミクス・プロセッサー)。これはギター用エフェクターではなく、レコーディングエンジニアが使う機材でした。それをギターに用いた(それもギンギンに利用した)と云うところが革新的であったわけなのです。この機材、当時の実機はもうあまり残っていないようですが、プラグインなどになっているようなので、いつか試してみたいと思います、って急に機材の話になってすみません。今でも欲しい機材は色々あってソリーナの実機とかモチロンのことメロトロンとか(後略)。

 

・Distant Early Warning / Rush 1984

 番組内でもお話しした通りラッシュ唯一の1984年日本公演実現はウォーレン・クロマティ選手の功績があったと思うのです。そのクロマティ選手と大洋ホエールズ遠藤一彦投手との対決、あの例の頭を指でトントンとやるヤツ、すみません機材以上に話が判りませんねすみませんやめます。ワタシ、そのラッシュの日本武道館公演で横の席にいたアメリカの方(多分軍人さん)と意気投合して全曲大騒ぎしながら観ておりましたら同行の皆さんに大変な顰蹙を買いましたのを思い出しました。すみませんねあまりにもスキ過ぎて取り乱しました。この曲はその来日当時の最新アルバムの曲でありますので感慨もひとしおです。何のこっちゃ。それにしてもアレックス・ライフソンはジェイミー・ウェスト・オーラムに本当に影響受けたんだなー。ギターフレーズの随所にそれが現れています。と云うかまんまFixxのところもある。やったなアレックス。

 

・A Hard Day’s Night / The Beatles 1964

 そして親玉にして元祖にして本家にして大元締めのジャーンであります。この冒頭のジャーンが最初に世界に鳴り響いてからもうすぐ60年。まだまだ謎があると云う奥の深さ、わけのわからなさ。聴けば聴くほど謎が湧き出て来る恐ろしさ。これはビートルズを聴いていると、どの曲にも謎がいっぱいあって、そう云う意味でもワタシの中では深い闇なんですビートルズは。あまり無邪気に聴くことが出来ないと云うか。ワタシが無邪気に楽しく聴けるのはHello Goodbyeくらいかな。あとSomething。

 

・Sphere of Innocence / Allan Holdsworth 1992

 エンディング曲です。アラン・ホールズワースも闇です。かなり深い。

 

お楽しみ戴けましたでしょうか。

次回は5月3週目の2023年5月21日(日曜日)がワタシの出番です。

また面白いの選曲しますのでよろしくどうぞ!