湘南ビーチFM『Hits Around The Clock』2021/09/19
2021年9月選曲「心の底からウマイと云う」
お聞きくださった皆様、ありがとうございました！
・Led Boots / Jeff Beck 1976
・Goodbye Pork Pie Hat / Jeff Beck 1976
「ジェフの音は歪みすぎていた」とジョージ・マーティンは語っていたそうです。歪んでいる上にバラバラで気まぐれなジェフのパート。フィードバックと云うよりハウリングしている。それでも見事に全て重箱に詰め込んだジョージの手際の素晴らしさ。Led Bootsはドラムにコンプかけまくりで音がずしゅんずしゅんしていますがそれも表現しがたい高揚感を与えてくれます。ヤン・ハマーのシンセとマックス・ミドルトンのクラヴィネットとウィルバー・バスコムのベースが寄って集ってメインリフに集中して更にジェフも重ねてそこにもう奇跡としか言い様のないリバーブの残響があって吸い込まれるような空間美を感じるのでした。Goodbye Pork Pie Hatの方はマックス・ミドルトンのエレクトリックピアノ匠の技と実はジェフがリードとバッキングの両方をやっている神の対話ギターとのあまりの整合性の素晴らしさに心は常に天国へ誘われるのでありました。こんな感じであと何文字でも書けそうです。とにかくジェフのギターのトーンが美しいの。ハムノイズまでウマイ。うっとり。
・Walk This Way / Aerosmith 1975
・Sweet Emotion / Aerosmith 1975 (4’34”)
これもまた幾らでも語れるぜ闇夜のヘヴィロック。Walk This Wayのちーっったっどどっどったっのドラムで飯が何膳でも食えます。そうエアロのドラムのジョーイ・クレイマーこそワタシが最も敬愛するドラマーの一人。中学生の頃からそう思ってます。そして無骨に入ってくるギターリフ。これがね、全部同じじゃなくて箇所箇所でちょっとずつ違うのよこれ。それよりも歌のバックのコードC7のグルーヴが何ともテキトーで成り行き任せの跳ね方をしているのだけれど、これがまた奇跡的な瞬間なんですよこんな風に跳ねられるのエアロだけでしょ唯一無二ですよこれ。そしてギターソロが手なりと云うかファンキーと云うか絶妙に雑な感じが実はエアロスミスの核であるブラッド・ウィットフォードのギターなのよジョー・ペリーじゃないのよエアロはある意味ブラッドのバンドなのよ本当。だからエアロが一時期低迷していたのはジョーの脱退よりもブラッドの脱退の方なのよね。このままこれも幾らでも書ける。Sweet Emotionの方も冒頭のベースに絡まるトーキングモジュレーターのノートが6度（実音F#）にふらふらとずっといてそれこそがこのサイケ感のキモであるのですよ。そこにC#とDのトリルのギターが来て、スネアとシンバルのたーっだけでドラムが入ってどんつったっつっつっどんたっちーのリズムなんだけどこれがまた最高のリズムなんですよジョーイ・クレイマー。これが歌中になるとパターンの後半がどんちーたっちーとハイハット2度開くんですこれがもう最高です。ウマイ。心からウマイのだと半分も語れていないけれどもうやめます。まだまだ語れますのでいつかそう云うイベントやります。スキスキスーダダ漏れイベント。
・Stairway to Heaven / Led Zeppelin
これもどれだけ文字があっても書き尽くせません。奇跡がレコーディングされたのだとしか言い様がない。リリースから50年。色褪せない。そして2021年の今だからこそ響き輝き打ち震えるポイントもある。この「Ⅳ」のアルバム全体が空間と時間を制御しきった神々の業とも云える作品。緊密なのに離れていて、離れていても緊密。ウマイ。マジでウマイ。
・Everything Happens to Me / Samara Joy 2021
・Moonglow / Samara Joy 2021
もう語る言葉もないです。2021年ですよ今年ですよ最近出たんですよこれあーた。サマラ・ジョイ21歳でギターのパスクァーレ・グラッソ32歳ですよ旦那。完全に圧倒されたと共に音楽の美しさ楽しさがしっかり伝わって進化して深化しておるのだなと考えて心から安心しましたわよ奥様。ウマイ。本当にウマイ。狂喜乱舞。やったぜベイビー。未来は明るい。本気でそう思いました。
・Sphere of Innocence / Allan Holdsworth 1992
2021年のエンディング曲。これも心からウマイと云う匠の技です。いつかじっくり一緒に聴きましょう。
サマラ・ジョイ、覚えてくださいね。
ウマイ上にキュートでたまりませんわ。
お楽しみ戴けましたでしょうか。
次回は10月17日日曜日の予定です。
よろしくお願いします！