ヨコハマメリー
白塗りの老娼はどこへいったのか

中村高寬著
河出文庫


映画「ヨコハマメリー」の監督をされた中村高寬さんが書かれた「ヨコハマメリー」の本。
2017年に刊行されたものの文庫化です。
一度読んでいたこともあってイッキ読みしました。
色々と思うことはありますが、うまくまとまりません。
ワタシが若い頃、伊勢佐木町にあった森永ラブ(ハンバーガーショップ、今はもうない)で席に座って本を読んでいたら、席のテーブルを挟んだ向こう側にメリーさんが立ってじっとワタシのことを見ながら立っていたことがあります。
どう対処して良いか判らずに、目を本に落としていましたがメリーさんは一向に動く気配がありません。
参ったなーと思ってそのまま本を読んでいたらいつの間にかメリーさんはいなくなっていました。
後でその席がメリーさんの特等席であることが判って、何だか悪いことをしてしまったなと後悔した想い出があります。
横浜の人はみんな知っていたメリーさん。
でもメリーさんがどんな人なのかちゃんと知っている人は殆どいなかった。
それが映画「ヨコハマメリー」で色々と知ることになり、とても感慨深かったのを覚えています。
この本では更に、この映画が出来上がる経緯が克明に描かれていて、その感慨を新たにしました。
映画の主題歌「伊勢佐木町ブルース」を渚ようこちゃんが歌って、ワタシがギターを弾かせてもらいました。
プロデュースはコモエスタ八重樫さん。
自分がこの世界観の中に少しでも携われたと云う奇跡を今噛み締めています。
メリーさんもようこちゃんもいない2020年。
もう少しここにいてもう少し何かやっていきます。
そう云えばワタシが出演した「ハマの靴探偵」も中村高寬さんにお声がけ戴いてまたちょっとだけその世界観の中に混じらせてもらいました。
今色々と動き変わりつつあるヨコハマ。
ヨコハマがヨコハマでなくなるまでヨコハマでありたいと願う今日この頃。
なんのこっちゃ。