Moving Pictures
Rush

今年もやります思い入れダダ漏れシリーズ。
長いですすみません。
お正月はやたらとRushを聴いておりました。
ワタシにとってRushとは何だろう。
それをずっと考えておりました。
Rushはカナダを代表するトリオロックバンドです。
同じカナダのFrank Marino & Mahogany Rushもトリオで若い頃のワタシはこの二つのカナダのトリオバンドに首ったけでした。
Rushをちゃんと聴いた(存在は知っていた)のは高校3年生くらい(遅めでした)でリアルタイムでアルバムをゲットしたのがこの『Moving Pictures』でありました。
1981年2月発売。
当時一緒に聴いていたアルバムはVan Halen『Fair Warning』とLoverboy『Get Lucky』とElectric Sun『Firewind』と云ったラインナップ。
その辺りのことを話し出すと逸れに逸れてしまうので泣く泣く撤退しますしくしく。

そんなわけで『Moving Pictures』です。
個人的にはRushと云うバンドが完全に自分達のスタイルを確立してそれまでの大作主義(レコードのA面で1曲とか)から5分前後のコンパクトな作品に自分達の特異性(高度な演奏能力や難解なビートをキャッチー聴かせるなど)を存分に発揮出来るようになったアルバムと思っております。
特にアルバムのA面。
まさかのシンセベースとドラムで幕を開けるハイパーな“Tom Sawyer”、ギターのハーモニクスを見事に駆使したフランジャー命の“Red Barchetta”、全てのパートを口ずさめるまで聴き込んだインストの“YYZ”、そして6/8と7/8と8/8のビートの組み合わせが絶妙な“Limelight”。
珠玉の4曲なのであります。
実はB面もその後のラッシュの方向性を予感させる曲が並ぶのですが思い出したら後で書きます。

色々なアーティスト、色々なギタリストの音楽を覚えて口ずさんでギターでコピーして、その上に自分のギタープレイや作曲や音楽家としてのアティテュードが出来上がっている(砂上の楼閣かも知れない)のですがその中でRushはどんなポジションなのか。
それを書こうとしたのですがこれがなかなか良い云い回しが見つかりません。
もし日本でもっとRushが有名ならワタシにかなりRushが沁み込んでいるのが判るのですけど。
ダブルネックギターが白だったり(ドン・フェルダーじゃなくてアレックス・ライフソンなんだよこんにゃろめ)。
そのアレックスの真似をしてHughes and Kettnerのアンプを使ってみたり(音が気に入ったのではなくて2003年の『Rush in Rio』の映像を観て青く光るフロントパネルにゾッコンになっちゃって買ったんだよミーハーなんだよ)。
とにかく自分の色々なところにRushがあるのです。
現在もとても身近にあるRushなのです。
ニューアルバムはもう出なさそう(と云うか2012年まで出してたんだからスゴイ)だけど決して過去のものではない今でもワタシの教科書であり続けるRushなのです。

このお正月もRushを聴いていて幾つも勉強になったのです。
このアルバムからギターサウンドのエッジがより明快になりました。
特にバッキングはベースのゴリッとドーンとした感じにかなり重なるようなイコライジングになっています。
アレックス・ライフソンが多用するsus2(add2omit3)のコードがより重厚に響くように思えます。
ソロパートは相変わらずのスリリングさ。
ゲディー・リーのベースはこの前作のアルバムに比べると多少低音少なめ中高音重視な感じが致します。
その分ニール・パートのドラム、特にスネアとベードラが物凄くクリアに分離して聴こえます。
シンバルの音像がキレイだなウツクシイなー。
自作からドラムの感じがガラッと変わるのでこのドライな感じのドラムレコーディングの一つの極致なのではないかと思ったりもします。
でもよーく聴くと残響が絶妙にあるのですけどね何だかスゴイ見事なんですその残響(スネアとかフロアとか)の中にギターとかベースの音の尻尾の先辺りのグッとした感じが潜り込んでムッと残っている瞬間とかもうホントに悦楽です何だか判らないですよねこんな文章ねすみませんね。
あータムを回していって一番低いフロアはセンターになってるのねーなるほどねー(ホントに何だかすみません)。

そんなわけでRushダダ漏れはまた書きます。
まだまだダダ漏れしきれておりません故。
あああとちょっとだけ。
いつのツアーだったか、ステージのスクリーンに子供向けアニメが流れてそのカウント「ワンツースリー、ツーツースリー」で“Tom Sawyer”がビヨーンと始まるのが好きだったなー。
“Limelight”でイントロのBのコードはキーEのドミナントのBに聞こえるのですがそれが歌に入るとBがトニックになるそのトリッキーな感じも
スキスキスーでイントロ2つ目のコードAadd9omit3がまたカッコ良く響くんだなーあとサビ4つ目のコードG#m7がsus4なのもスバラシイんだなー最後のコードもG#7sus4でマイナーじゃないんだなーこれCKBの“けむり”でもやってるんだけど誰も気が付いてくれなかったなーいいんだよ別に。
あとB面最後の“Vital Signs”がその後のニューウエイブ影響下方面に行きかけているのですがまだまだロックバンドとしての熱さとか重さとが捨て切れておらずに2番のサビの折り返しのギターベースのユニゾン(C-D#-G#の3音)がロック史上に燦然と輝くエキサイティングな瞬間になっているのがヒジョーに微笑ましいのです。
すみません結局ダダ漏れました。