Spectrum
Billy Cobham
ワタシのルーツ中のルーツをまた最近聴き直しております。
ワタシが中学生の頃にお隣に住んでいた4つ年上のお兄さんに借りたレコードのウチの一枚。
そのお兄さんはキーボーディストで作曲家の安斎史孝さんで大瀧詠一さんのロングバケーションにも参加、テレビアニメの曲など多数作曲、お家に行くとシンセサイザーの山(メロトロンもフェアライトも実機を初めて見たのはこちらの家)何よりかによりCKBドラマーの廣石恵一先輩の学生時代の先輩と云う怖ろしい御縁が御座いまして、ワタシが音楽の仕事をするのなんて生まれた時から決まっていたようなものでありまする。
そしてこのビリー・コブハムのスペクトラム。
ギターはトミー・ボーリン、ジェームス・ギャングから後にディープ・パープルに参加します。
これを聴くとワタシが如何にトミー・ボーリンの影響(それもこのアルバムのトミーの演奏)を受けているか即座に判るかと存じます。
この中の「Taurian Matador」「Stratus」「Red Baron」は小野瀬雅生ショウのライブでも演奏しております。
トミーは1975年にディープ・パープルに参加してシッチャカメッチャカなライブをやって1976年12月4日にヤクのオーバドーズで死去。
その辺りの破滅的な感じはあまり良く判りませんが鬼のようなプレッシャーとの戦いがあったのではと考えたりしたりしなかったり。
このアルバムのトミーは荒削りながら美しく、ワウもアームもスライドボリューム奏法もテープエコーギミックも天使と悪魔の狭間を行ったり来たりのサイコーでサイキョーのギタープレイをしています。
永遠にスキスキスー。
そして怖ろしいのがヤン・ハマー、ミニムーグ(シンセサイザー)をギターのように操るキーボーディストですがワタシは先にこの人のプレイをマハビシュヌ・オーケストラやジェフ・ベックのアルバムで聴いておりましたがスペクトラムでのプレイは圧巻中の圧巻です。
もういきなりドラムと二人だけでぽぴーぽぴーぽぴぴぴぴとエンジン全開でスタートですもの。
そしてシンセだけでなくローズピアノのプレイがまた絶品でしてワタシのローズの音はこうあるべしのベスト10(あるのかそんなもん)上位入賞間違いナシのウマウマ王なのです。
リーダーなのに3番目にコメントされるかわいそうなビリー・コブハム(ドラムですよドラム)ですが以前ご本人にインタビューをさせて戴く機会がありまして訊きたいことをどんどん訊いていったらどんどん暗い表情になってしまって「俺はクビになったんだ」「覚えていない」などネガティブ発言連続でいやー参った参った。
ドラムは超絶スゴイですこんなにスゴイのはなかなかありませんぜ旦那。
ベースはロックセッションではリーランド・スクラー、ジャズ方面セッションではロン・カーターどちらもヒジョーにスバラシイ。
1973年5月14日15日16日にニューヨークでレコーディング、ニューヨーク、ニューヨーク、ああまた行きたいニューヨーク。
もう後何年かしたら50年経つのね。
ワタシ、壮大な計画がありまして。
このアルバムを丸々やるライブってのをやりたいなと。
そのちょうど50周年辺りに実現出来たらイイなとぼんやりとうすぼんやりと考えております。
きっと他にもやる人いるだろうけどそれはそれでこちらはこちらでみんなでスペクトラムバンザーイで良かろうかと。
聴けば聴くほどに味があって飽きることがない。
ワタシの中の名盤中の名盤。
久しぶりに聴きながらずっとギターを弾いてみている夏です。