河童会議
火野葦平著
文藝春秋新社

昭和33年の古書を入手して読みました。
火野葦平先生の随筆集です。
河童会議。
当時西日本新聞に連載されていた随筆をまとめたのが大半。
河童会議。
読めば火野先生は河童会議に参加されていた(招請状がくる)そうです。
河童の大先輩であったとは。
初めて知りました。
「カッパ会議には多数決という無理な議決法がない」
「デタラメな時代」
昭和33年にこの一文。
ここから平成を経てもうすぐ令和と云うのに世の中は全く何も進歩せず却って退化の道を歩んでいるのではないかと思うに至りました。
それはそうとワタシの好きな深沢七郎先生も出てくるし戦争の悲しい話もお色気エロの話ものっぺらぼうも天狗もトオマス・マンもアンポンタンも出て参ります。
今こうして火野先生の文章に出逢えて本当に良かった。
幸せな気持ちになりました。
そして最後の方にある「天皇とともに笑った二時間」と云う文章。
昭和天皇との懇談会に参加された様子を書かれたものです。
同席されたのは徳川夢声、吉川英治、獅子文六、サトウ・ハチローと云った面々。
昭和天皇を囲んで皆で好き勝手な話をしたと云うステキなエピソードです。
そして火野先生が昭和天皇に延々と河童のお話をされたことが書かれております。
河童スゴイな。
そうなのかそうなのか。
他にもウナギから音楽からちょいと下ネタまで話題は多岐に渡ったようです。
何だかスゴイ話を読んだな。
そして「長崎の雨」では来日されたロシアの作家エレンブルグさんとのエピソード。
これもステキなお話でした。
全体を通じてヒジョーに勉強になりました。
そして細かいことにも色々と気付きました。
ワタシ達の心の中に何があるか。
払拭出来ない根深いモノ。
あるんだなぁ。
一人一人がしっかり考えて自覚して答えないといけないこと。
考えている人、少ないなぁ。
ワタシもこれからの人生、一人で考え、皆で考え、河童と一緒に考えて生きて行こうと思います。
もう変なまとまりのない文章ですみません。
火野先生の他の河童の著作、探して読んでみます。
河童ちゃーんよー。