先月の某日に大切な友人と久しぶりに食事。

参りましたのは『アッピア アルタ 西麻布』。

とびっきりの贅沢をさせてもらいました。

こちらのお店にはメニュはありません。

ワゴンで食材が運ばれてきます。

それぞれに調理法などの説明を受けた後、好きなモノを好きなだけオーダー出来ます。

前菜はもう調理済みのモノもありますし、素材もあります。

メインは魚が丸々一匹だったり、肉の塊だったり。

そのセレクションが非常に楽しくて。

バカボンのパパみたいに「なんでもいいから端から全部持って来い」と云いたくなります。

そこをぐっと抑えての決断。

説明や感想などは控えめに、写真中心でお伝えします。

 
小野瀬雅生オフィシャルブログ「世界の涯で天丼を食らうの逆襲」by Ameba
 

アミューズはビーツと生ハムをジェノベーゼソースで。

スプマンテと共に戴きました。

 
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温野菜のサラダ。

とても丁寧に扱われた野菜達。

それぞれの味わいがキュッと引き締まっていました。

 
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厚岸産の生牡蠣。

先々の事を考えて1ピースのみ。

レモンすら搾らずに。

ああ。

これでいいのだ。

 
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エイジングした牛ロース肉。

そして黒イチジク(島根か鳥取産)にゴルゴンゾーラチーズ添え。

牛は夢のように儚くとろける。

イチジクとゴルゴンゾーラは予想以上の相性で口福の極み。

 
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ツルムラサキに生ハムを巻いてフリットに。

何故か陽光煌めく海が見えたような気がした。

 
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パスタは2種類を少しずつ。

 
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平打ちの生パスタはポルチーニ茸などのキノコのクリームソースで。

馥郁としたポルチーニ茸の薫りが艶っぽく悩ましい。

味わいも食感もこの上なし。

 
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バジリコ。

このお店の源流である『キャンティ』を強く思わせる逸品。

とても優雅で、スマートな味わいです。

  
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ワインはシチリア島の、DONNAFUGATA MILLE e una NOTTE。

「千夜一夜」の意。

ブドウはシチリアの土着品種ネロダヴォラ。

愛と怒りち哀しみと安らぎ。

全ての言葉を連ねた詩集の読後感のような味わい。

魂の奥底にある原初のランプに灯りが点る。

心の手が新しい形をまさぐる。

これはなんだ。

新しい感覚が生まれて、新しい言葉が生まれる。

それは新しいのに、懐かしい。

この夜は千夜一夜の何番目の夜なのか。

 
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メイン其の一は、仔羊のグリル。

シンプルに塩胡椒だけで焼いてもらいました。

何ピースでも食べられそうな位、軽妙で楽しい味わい。

食べながら更にまた食欲が湧いてくると云うのも如何なものか。

 
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メイン其の二は、フランス産野鳩のローストとパイ包み焼き。

ピレネー山脈を越えて渡りをする前に栄養を身体にしっかり湛えた豊満な鳩。

この鳩をしてワインはその本領を発揮。

新たな物語を味わいます。

 
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誘惑。

鶏とも鴨とも違う、明快さと複雑さを兼ね備える赤き血の味わい。

青く麗しき空からの囁き。

空を見上げよ。

 
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魅惑。

パイに包まれて更に魔力を増す血の薫り。

深き森の中に眠る古の言葉。

誰も発してはならない王女の名。

風の囁きの中にその名を聞いてしまったが最後。

永遠の愛を誓うしか術はないのだ。

幻想の森へ。

その歩みをゆっくりと進める。

 
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焼いたチーズで、ワインの最後の一杯を。

本をゆっくりと閉じるように。

 
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デザートはプリンと、柿のコンポート。

プリンは濃厚でオルガンの音色の如き多重多層の味わい。

柿のコンポートは、チェンバロ。

ああ。

思い出して記事を書いていたら言葉が溢れてしまいました。

食べる事って素晴らしい。

心からそう感じた食事でした。

あと一言。

云わせて下さい。

 

ウマウマウー!

 

いつかまた、悦楽と幻想の森へ。

伺います。

美味しかったです! 御馳走様でした!

 

アッピア アルタ 西麻布

東京都港区西麻布4-22-7 西麻布グランディアビルB1F

月~土曜 18:00~翌2:00

日曜祝日 17:00~翌1:00

無休