出逢いました。
ある程度予想はしていたとは云え、その衝撃は強かった。
強すぎて感情があまり表に出なかったくらい。
自分の内面に深く問いかけ、歓びを抱きしめる。
何のことだかわからんですね、これでは。
先日、沼津港深海水族館へ取材に参りました。
沼津でもウマイモノ食べたのですが、それはまた後ほど。
取材が早めに終わり、取材陣一同どうしようかと思案。
私の提案で熱海に移動。
熱海。
そう、熱海が私の頭の中にあったのです。
随分と前に友人がFacebookにアップした熱海駅前の画像。
その一枚の画像が私を熱海に誘導したのです。
駅改札を出て、駅前ロータリーの向かい側にあるお店の佇まい。
そのお店は『レストランフルヤ』。
ここにある。
きっとある。
確信に似た期待。
何が。
私が探しているスパゲティナポリタンが。
私が探しているのは箱根芦ノ湖畔にあったレストハウスのナポリタン。
多分オークラと云う名前だったと思います。
和食も洋食もラーメンもナポリタンもあるお好み大食堂的なレストハウス。
今はもうありません。
クレイジーケンバンドの箱根ヨコワケハンサムワールド(旅館貸し切りライヴ)の帰りにみんなで寄ったレストハウス。
そこのナポリタンの味を強烈に覚えているのです。
何の変哲も特徴もない昔の味の普通の、ごく普通の味のナポリタン。
でも、それが意外と世の中にない。
だからもう、普通じゃないんです。
それが。
箱根、熱海、観光地、老舗レストラン、情報が符合しています。
熱海駅前、『レストランフルヤ』。
導かれ、そして、出逢う。
ナポリタン!
この段階では、箱根芦ノ湖畔の幻ナポリタンとの差異をカウントしておりました。
箱根、ハム、タマネギ、ピーマン、マッシュルーム、銀皿。
熱海、海老、タマネギ、マッシュルーム、グリーンピース、白皿。
でも。
そのルックスの差異を超える味への期待、いや確信めいたモノがあったのです。
海老三尾のあり方より。
グリーンピースの存在より。
手前のマッシュルームの佇まいが、私に確信を与えたのです。
戴きます。
ああ。
ああああ。
魂ナポリタン!
昔ながらと名乗るナポリタンは数多く戴きました。
でも、私の魂を震わせるには至らなかったのです。
ここでようやく出逢えたナポリタン。
そして、それはもうウマイウマクナイの話も超越して、私の個人的な記憶との符合を求める旅だったのです。
ここが終着駅ではありませんが、ようやく一段落です。
具体的な味の話を一切しておりませんでしたね。
よく炒めてあって、あまりケチャップっぽくなくて、ちょっと甘めの味。
それだけなんですが。
キーは、甘め。
人生最後の食事をどうするかと云う問い。
今までは豊野丼の海鮮丼としておりましたが。
レストランフルヤのナポリタンにします。
コーヒー。
昔の味。
酸味少なめで苦みしっかり。
ホッとします。
店内の内装がショワショワ昭和でたまらんのです。
しかし、何か変なバンドのオモチャみたいのが魂のない音楽をずっと鳴らしていて、私にはほぼ拷問。
音楽を悪く云うのは本意ではありませんが、これだけはやめて欲しいですー。
レストラン外観もたまりません。
熱海駅前ロータリーが工事中で、駅舎も仮店舗のようになっています。
再開発。
もちろん必要だと思う部分もありますが、昔ながらの街のルックスも残して欲しい。
なかなか行けませんが、レストランフルヤ、応援します。
また伺いますので、このままでいて下さい。
美味しかったです! 御馳走様でした!
レストランフルヤ
静岡県熱海市田原本町8-9
9:30~19:00
不定休