中国行きのスロウ・ボート
村上春樹著
中公文庫
大体5年おきに読み直している本。
村上春樹初の短編集。
1983年に刊行。文庫版は1986年。
文庫版が出てすぐに読んだと記憶しています。
今回読み直したら15ページ目に「世界の果て」があった。
私の「世界の果て」はここにもあったんだな。
7つの短編全てで主人公が煙草を吸う。
それもちょうど良いところで吸う。
一年半前に禁煙して以来、最も煙草を吸いたくなった。
私の喫煙はイメージに多大にからまっていたんだと再認識。
この本を最初に読んだ頃、私は煙草ばっかり吸っていました。
一日2~3箱のヘヴィースモーカー。
家の外で食事なんて全然してませんでした。
お金があるなら煙草を買っていました。
体重なんて現在の食いしん坊万歳の私のほぼ半分。これホント。
食べる事に本当に無頓着だったのが変われば変わるものです。
ノルウェイの森を読んだ頃に、実際に自分が凄く辛い思いをしていて
それ以来村上春樹には無闇に近付かないようにしているのですが、
(村上春樹が悪いのではなくて私の方に原因があります)
この短編集だけは読める。読み直したくなる。
ちょっと気持ちがチリチリするんだけど、その程度で済む。
自分と自分以外のものに埋めようのないギャップを感じていた
そんな若い頃の自分を思い出してちょっとニヤけてお終い。
うまくまとまらないので、何年後かにまた読み直します。