私がお世話をしている女の子は私の4つ年下。

言葉を話せず、口から食事をとることもできず、自分の体を動かすことさえできず、

胃ろうから栄養を入れ、喉に気管切開もしていて。


数年前彼女は彼氏に遊ばれ捨てられ四階から飛び降りてしまいました。

一命をとりとめましたが、全身をうち、脳挫傷。

20歳台だった彼女はそのときから自分の足で歩くこともお話をすることもできなくなってしまいました。

一生寝たきりの生活。

体の向きをかえることさえ彼女にはできません。


今日、お父様お母様が優しい眼差しで話しかけていました。


私と二人きりになったときラジオから流れるのは

失ってしまった大切な人、失った恋、

彼女のかわりに私の心が泣きました、

彼女のおとうさん、おかあさんの優しい眼差し、優しく彼女の名前を呼ぶ声が耳に残っています。

みんな誰かの大切な娘であったり、大切な存在だったり


心がずたずただったんだよね、呼吸することさえも苦しかったんだよねきっと。

お父様お母様がいつかいなくなってしまったら彼女のお世話は誰がするのだろう。

これから彼女はどんな一生を過ごすのだろう、と考えてしまいました。


吸引をしたり、痛いケアをしたら彼女の目から涙がこぼれ落ちました。


私なら嘘でもいいから彼にそばにいてほしい、

たとえ月に一度でも手を握ってほしい、

声をかけてほしい、
名前を呼んでほしいよ、

彼に逢いたいよと、願い続ける気がして、

言葉をはっせない彼女が私に何か変わりにしてほしいことがあるんじゃないかと
何かを願っているのではないかと、ただただ切なくなりました。


まだやりたいこと沢山あっただろうな。


何年も何年も天井をみつめ生きていかねばならない彼女に何か楽しみをつくってあげられたらなと考えています。


わたしが一日でいいから変わってあげられたらなと心からそう思いました。



おやすみなさい


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