蛇ヶ池の桜
星の里から南へ300mほど坂道を下ったところに蛇ヶ池という小さな池があります。
その池の周囲には何本かの桜が植えられていますが、なかなかの大木で、風情もあり、いい雰囲気です。
何が一番の魅力なのかというと、ほとんど誰も訪れる人がいない静かな桜、というところでしょうか。
社会福祉施設というのは、対人サービスの最たるものです。
そこにはいろいろな利用者がいます。自分も含めてそうですが、人は常に筋の通った話をするわけではありません。時に大声を上げたり、不合理なクレームをつけたりする方もいます。そんな中、毎日かかわるスタッフは気を抜くことなく利用者の満足度を上げようと懸命に動いています。
老人ホームの施設長になって10年近くになりますが、福祉やサービスの理想を言う一方で、本当にスタッフを支えきれているのか、また、きちんと育成や指導ができているのかを自問自答する毎日です。
でも、そんな毎日の繰り返しの中、毎年この季節の昼休みに、ふと職場を離れて蛇ヶ池の桜見物に行くようにしています。ここで静かに桜の大木を見ていると、自分自身がリセットされたような気分になるものです。
「世の中は三日見ぬ間の桜かな」
江戸時代の俳人がそんな句を残しているようです。これは「三日見ないうちに散ってしまう桜のように、世の中の移り変わりが激しいこと」を表しているとのことです。でも、私の気分の変化はもう少し早いかもしれません。桜を見てさわやかになっても、職場に戻って仕事を始めたらもとの木阿弥ですから。…そのため、桜のない季節には(やむなく)アルコールでリセットするように努めているところです。
さて、4月からホームページがリニューアルされ、ブログが開設されました。
これからは少なくとも週に一度くらい、昼食後の退屈な時間を利用して施設でおきたちょっとした出来事を綴ることとします。ぼつぼつお付き合いください。