ショーGEKI「DOKONI ドコニ 〜私の元気〜」が、さる11月23日、新宿シアタートップスにて全公演を無事終了しました。

ご来場くださった皆様、ありがとうございました。配信は12月まで見られるそうなので、お見逃しになった皆様はぜひそちらをご覧ください(^_^)


「ドコニ」は2005年に初演、2011年に再演したショーGEKIの代表作である。

主人公種田ミツコは29歳。東京での生活に疲れ、実家に引っ越そうと荷物をまとめ、疲れて寝てしまう。目覚めると、部屋いっぱいのダンボール箱から、若い頃の両親や姉、祖母、親友、先輩、初恋の少年たちがピョコピョコ出てくる・・・という芝居で、過去2度とも俺はお父さん役で出演した。

2017年にショーGEKIを退団してのち、今年のアタマに主宰の羽広から出演依頼があった時には、まだ何をやるかは決まっていなかった。それでなんで受けたかと言えば、劇場が初めてのシアタートップスで「出たかった」ということもあり、また、2020年に出演予定だったショーGEKI大魔王公演がコロナ禍で流れてしまったからということもある。そろそろ、一度里帰りしていい時期ではないかと思ったのだ(^_^)

作品が「ドコニ」に決まったのがたぶん夏のこと。俺の役が、「お父さん」ではなく「先輩」だと聞いたのは8月だった。それも、過去2回の汗臭い先輩ではなく、ウンチクが多く多弁な演劇部の先輩だと。

台本をもらうと「これはもう、俺だな」という役だった。やたら名言を口にするけど、それがどれも他人の言葉。主人公ミツコ(廣田朱美)以外の演劇部員はいなくなってしまい、ミツコを裏方に毎回一人芝居をする演劇少年。そして、誰も聞いていなくてもダジャレを連発する・・・羽広曰く「初めて当て書きした」とのことで、ならば求められていることを精一杯やるだけだと思った。それはつまりウザイマンになるということなのだが。

ダジャレも、実は舞台ではあまり使ったことがないのだが、今回は連発した。だってウザイマンだもの。日替わりネタにして、最後の2日間はFacebookでみなさんから募集したネタを使った。なお「リア王」と「オセロー」のダジャレはワタシの自作です(^_^)

芝居が終わった後で羽広に聞いたら「こういう人が成長してウザイマンになる、という役にした」との事で、なんのことはない、「ウザイマンビギンズ」ではないか!

役を演じるにあたり、参考にしたのは藤子・F・不二雄「エスパー魔美」に出てきた、やたら理屈っぽくて、ワケのわからない自主映画を作る、魔美の先輩。髪は長髪にしたかったからカツラを借りた。とにかく、芸術家だから徹底的にカラッポな人にしようと思った。共演のキンちゃん(金田誠一郎)に「芸術家はカラッポな器じゃないとね」と言われたけど、ごもっともですなあ。芸術に奉仕するには器にならないと。カラッポになるのも簡単なことじゃないのだ(^_^)


しかし、今回はホントに、あっちでもこっちでもご好評をいただきました。「出て来るだけで笑えた」と言ってくださる人もいて、やってよかったなあ。退団以来、初の里帰りということで、気分は「助っ人外国人」であったが、古巣に恩返しができたように思えます(^_^)

ちなみに、途中で一ヶ所、先輩が浴衣姿で国定忠治のセリフを言うシーンがあるけど、あれは、学校を卒業した先輩はシェイクスピア俳優にはならずに大衆劇団に入り、座長から「お前の芝居はバタ臭さが抜けねえなあ」と言われてる、という設定でした。



ミツコ29歳のオリジナルバージョンと、ミツコ43歳の新バージョン2パターン(オリジナルは一部Wキャストなので実際は3パターン)での上演だったが、楽しんでいただけたようでよかった。ミノル(七枝実)、キンちゃんのダンパチメンバーらをはじめ、昔なじみの人たち、初共演の若手たちとの芝居も楽しかった。そして、出られるとは思っていなかったシアタートップスへの出演。ショーマやサンシャインボーイズの舞台を見て「一度ここに出たいなあ」と思いつつ、劇場の営業終了で叶わなかったのだが、本多グループ傘下となり営業再開したことで初出演が叶った。うれしかったです(^_^)


スタッフ、関係者の皆さん、お世話になりました。ひさびさに一緒できたスタッフがたくさんで、気持ちよくやらせていただきました。ありがとう(^_^)

共演者、そしてショーGEKIのみなさんお疲れ様でした。ありがとうございました。ショーGEKIさんまた呼んでください(^_^)

そしてそして、ご覧くださった皆様、ホントにありがとうございました。これで今年はおしまいです。できれば来年1月の、SPPTテエイパーズハウス「義弘と義久」でお会いしましょう(^_^)