※【前編】より続く
この「十二人」という作品は珍しい成立過程を持っている。
まず、最初は1時間のTVドラマであった。演出は「猿の惑星」のフランクリン・J・シャフナー。それを見て気に入ったヘンリー・フォンダが自ら製作して90分の映画が作られ、その後、三幕物の戯曲になったのである。
今、日本で入手出来るのはこの戯曲だけなので、ここ数年見てきた上演もこの戯曲を基にしたものばかりだったが、ピシッと引き締まった映画のシナリオに比べ、戯曲はどうも冗長に思える。石坂浩二演出のも、映画のシナリオに基づいてやっていたような気がする。今回は「ワンマンロードショー」なのだから映画のシナリオを使おう、と決めて、DVDの字幕からセリフを書き起こした。そう、今後「ワンマンロードショー」と銘打って、名作映画を一人芝居でやっていこう、という構想はこの頃もうできていた。
ひとりで12役。まず考えなければならないのは「演じ分け」をどうするかだった。
かつての「三國志」の時は、中国の豪傑たちはみなヒゲを生やしているから、形の違うヒゲを付け替えることで、一応演じ分けられたが、今回その手は使えない。
「映画の12人の似顔絵を、テーブルに並べるのはどうだろう?」
というアイデアは、わりとすぐ思いついた。俺、今回調子よかったかも(^_^)
ちなみに、似顔絵を描いたのはワタシ自身です。なんか今回、芝居より絵の方をホメていただくことが多くて、しゃくぜんとしないものがある(>_<)
ベイサイド実験室が終わるまでの一カ月でセリフを覚え、稽古開始。(ベイサイド実験室では予告編をやらせてもらった)
大西さんのイメージを少しでも早く喚起するため、初日から通して見せた。すると大西さんは、
「テーブルはハの字にして、全員の顔を見せましょうか」と言う。
俺は当初、一つのテーブルを絵で取り囲み、ハンドベル演奏のような上演になるのではないかと勝手に思っていたが、なるほどこの方がずっと面白い。しかし、運動量もずっと多い。90分の内の大半は走って移動だ。稽古中の大西さんは、何かのスポーツのコーチの気分だったそうな(^_^ ;
今回、我々が目指したのは、映画「十二人」を再現することではない。映画「十二人」をベースにして、いかに面白い一人芝居を作るか、である。だからアレンジもためらわなかった。見比べていただくとわかるのだが、出だしのセリフの順番は映画と全然違う。だが、一人芝居としてはああするのが絶対よかったと思う。
演じ分けは次第に出来てきたが、一番時間がかかったのが3号と10号の二人、芝居でいうところの敵役である。怒鳴ってしまうとどうしても似てしまうのだ。10号を思い切り老けさせ、3号を、一見押し出しがよく、出来るだけ爆発を抑える男にしたことで差別化は出来たかな。走って移動した直後の10号がどうしてもしゃべりが早くて若くなってしまい困った(>_<)
ラストの3号は、本来なら息子の写真をビリビリに破くのだが、大西演出では破けない男になった。我々の「十二人」はあれで正解だったと思う。
かくして、幕は開き、翌日には降りた。初日は超満員で、かつてない反響だったように思う。
多かった感想が「前に見た芝居よりわかりやすかった」というもの。12人のポジションをほぼ固定にしたからだろうか。わかりやすいことは大事なことだ(^_^)
演出の大西さんありがとうございました。今後とも、ワンマンロードショーでヨロシクお願いします。まずは9月の「大脱走」どうしましょう、250人の脱走者(^_^ ;
照明の阿部さん音響の根岸くん制作の松岡、そのほか、お手伝いくださった皆様、ありがとうございました。月並みな言葉で恐縮ですが、皆様のおかげです。ホント(^_^)
また、絵空箱さんお世話になりました。9月の「大脱走」もヨロシクお願いします。
そして、ご覧くださった皆様、ホントにありがとうございました。おかげさまでワンマンロードショーは上々のスタートを切ることが出来ました。バカな企画ではありますが、これからもおつきあいください。ヨロシクお願いします。
また、ワンマンロードショーではリクエストを随時募集しております。この映画を一人芝居でやってほしい、というご要望がありましたらお聞かせください。今のところ、来年の候補作は「ゴ」で始まる映画か「リ」で始まる映画なのですが、これは!というリクエストをいただけたらそれが実現するかもしれませんよ(^_^)






