10年以上に渡りレッスンを定期的に受け続け、私の現在の演奏の基盤作りと方向性を見せてくださったハンガリー・リスト音楽院教授カールマン・ドラフィ氏の公開レッスンを1月17日、東松山市内にあるカフェ百水さんのホールにて行いました。
私も受講生としてレッスンを受け、皆様にレッスン内容を観て聴いて頂きました。
曲はリストの「ラ・カンパネラ」と「メフィストワルツ」
まず一回通して聴いて頂いた後
先生の第一声
「kunikoは長年、様々な問題を抱えていた。それを改善した2人の取り組みは素晴らしい。本当におめでとう」
というお言葉でした。
プロジェクトのパートナーでもあり、演奏レベルアップのためのフィジカル&メンタルトレーニングを全身全霊で行ってくれている松澤との取り組みを、他でもない長年私の演奏を見続けて来てくださっているドラフィ先生に認めて頂けた事、試みが正しかった事が証明され本当に何よりも嬉しかったです。
トレーニングを2人で始めた当初は、新しい試み故かそれはそれはたくさんの方々から苦言を頂きました…
それでも信じる道を進んで来て本当に良かったと思っています。
その反面、人の言葉に惑わされ進むのを辞めていたら…今はなかったと思うと恐ろしくもあります。
人は皆良かれと思ってアドバイスするのだと思いますし、もちろん人の言葉に耳を傾けるのは大事な事。でもそれ以上に、自分の心の声に耳を傾け信じる事は何より大事な事だと身を以て実感しました。
実は今回選んだこの二曲は
過去大きなコンサートと大学の卒業試験で思い出したくもない苦い経験をした曲でした。
松澤と取り組むまでは、もう人前で二度と弾きたくない、弾けないと思っていた曲です。
カンパネラは900名を越える地元のお客様の前で、暗譜が飛び、頭が真っ白、パタッと弾けなくなり数十秒の空白をステージ上で経験した曲。
メフィストワルツは、大学の卒業試験の前日全く弾けなくなり当日試験を受けるのを辞めようと決心し、当日学校に行かず…最終的には試験は受けたものの本来の順番でなく弾いたという事で先生方の見解は割れ、実際の点数から数割引いた点数が最終的な評価となりました。
どちらの時も、自分自身の失敗のみならず多くの方々に多大なる迷惑をかけてしまったのです。
それでも、私はその事を真正面から向き合う事が出来ていなかった。
見せかけだけの良い子、出来る子でいなければならなかった私は、忘れる事、誤魔化す事でやり過ごして来てしまったのです。
もちろん人にも言えなかった。
ましてやblogに書ける日が来るとは!!
これは松澤氏のセッションの賜物なのです。
私が弾けない原因は身体からくるものだけではなく、メンタルの深いところでの原因がある事をすぐに見抜き、何度もセッションしてくれました。
ピアノは好きなのに演奏する時に恐怖が伴う…
今でも多少の緊張はあるものの、楽しい!弾きたい!という気持ちの方がはるかに上回っている。
そんな事当然じゃない?という方も多いのだと思いますが、中にはきっと私の様に悩んでいる方もいるのではないでしょうか…
公開レッスン当日は、ドラフィ先生のレッスンの他に、松澤のフィジカル的なアプローチを受講生Mさんに体験して頂き、それをドラフィ先生に見て頂いて感想をいただきました。
「とても効果的だ」
と先生も太鼓判!
最終的には先生も「私もここの所だけやってもらえないか」と自ら希望され…
体験後はすっかりご機嫌の笑顔!
お帰りの時には、改めて「メンタルトレーニングはどんな事をしたんだ?」と興味を持たれていました。あまりに変わった私の演奏に驚きを隠せない様子でした。
大学時代からの友人みっちゃん