あらすじ
旅先で突然増水した川に流された若い女性紀子は、投げられたロープに縋り救助された。その夜助けてくれた若者晃二に身をまかせるが、翌朝彼の姿は消えていた。祭で賑わう神社で晃二の消息を問うと、ひと月前に毒殺されたのだと告げられる。では昨日の人物は何者なのか。文学的香気を漂わす描写のうちに著者の仕掛けた謎があなたを惑わす。
(byアマゾンのページ)
「これはきっとこういったトリックか?しかしさすがに簡単すぎるな…あ、終わった」
という感想。率直に言えば全然面白くなかった。
怪しげな村や祭りの描写が丁寧に書きこまれているが、謎に全く関係がないため変な村の伝記を読まされた気分。
物語のメインとなる謎はとても使い古されたもの。その使い古されたトリックに文学やエロの要素を絡めているが、それが失敗に終わっている作品。
一応、謎を複雑に見せるためか、犯人の名前のミスリードらしきものも書かれているが、誘導された先が絶対にあり得ない解答であるため、ミスリードとして機能していない。
また、本篇の中で多少鍵を握る絡みのシーンでは、2人の言い回しが大変面白く、壮大なコントの原稿を読んでいるのかと思った。爆笑してしまうところだった。
全くもって人にオススメ出来ない小説にだった。
読んでよかった度 :
もう一回読みたい度:
「11枚のトランプ」は面白いと聞くのでそちらを読んでみるか度:☆☆