あらすじ
奇天烈な洋館に集まった人々は目を疑った。六年前に殺された女流作家そっくりに、その妹が変貌していたのだ。そして姉の事件と同じ月蝕の晩、惨劇が彼女を襲う。“不思議な力”を持っているという黒髪を切られる手口も酷似して―。必要な手掛かりをすべて提示して「読者へ挑戦」する新本格ミステリの白眉。
(byアマゾンのページ)
これだ!!!
これぞ推理小説!!!
魅力的な登場人物・探偵がいる。密室もある。機械トリックもある。動機もある。特定のトリックを使う必然性もある。
何より「読者への挑戦状」がある!!!
物語も、余計なぜい肉をそぎ落とし、物語に必要な要素のみを書いている。
だからといって、物語が面白くないわけではない。涙を誘うし感動する。笑いどころもある。
謎を解き明かすために、必要な予備知識もほとんどいらない。
文章の中にちりばめられている答えを論理的に結びつけることが出来れば、全ての謎を解明することが出来る。
読者への挑戦状がある!!
と意気込んで読んだはいいが、全てを解き明かすことができなかった。
トリックは分かったのだが、「何故そのトリックを使ったのか」までは分からなかった。
トリックを見抜いたことに満足せず、もう一歩踏み込んで想像を働かせるべきだった。
そこまで見抜いたら快感だったろうな…
答えはあっていても、そこに至る過程が違う。数学のテストなら×をつけられてる。
全てが書いてあるのだから、全てを読み解けなかった自分が未熟だった。
実に清々しい負けっぷり。
何故かⅡから読んでしまったが、Ⅰも必ず読もうと思った。
読んでよかった度 :☆☆☆☆☆
もう一回読みたい度:☆☆☆
出来ることなら記憶を一度なくしてからもう一度読みたい度:☆☆☆☆☆