かなり前に、「そして誰もいなくなった」を読んで以来のアガサクリスティ。(前過ぎて、「そして誰もいなくなった」の内容も忘れてしまった)
何気なく手に取った本だけど、解説を読めばアガサクリスティの処女作だそうな。
あらすじ
第一次世界大戦中に負傷し英国に帰還したヘイスティングズは、旧友のジョンの招きで、イギリスの片田舎にあるスタイルズ荘を訪れる。ジョンの義母エミリー・イングルソープは20歳年下のアルフレッドと結婚しており、彼はスタイルズ荘の住人から嫌われていた。
ある夜、エミリーは突然発作を起こし、家の者はアルフレッドを除いて全員が彼女の部屋に集まる。一時は問題ないと思われたが、再び発作を起こした彼女は息絶えてしまう。ヘイスティングズは旧友のエルキュール・ポアロと偶然再会し、この事件の捜査を依頼する。
(byウィキペディア)
さて、感想をいくつか。
名探偵、ポワロが本作の主人公。やはり探偵は「事件関係者の前でドヤ顔をしながら犯人を暴いていく」というスタイルが似合う。探偵=ヒーローであってほしい自分にとっては非常に好ましい探偵だった。
また、アガサクリスティの登場人物の書き分け方が巧みだったので、登場人物全員がカタカナ表記だったにもかかわらず、すんなりと登場人物が頭の中に入ってきた。そういった意味では非常に読みやすい小説。
また、屋敷の見取り図、事件が起こった部屋の見取り図などが小説の中にかかられている点がとても好印象(謎を解き明かす上でそんなに重視しないが)。読み手を非常に意識している推理小説。
作中、被害者が書いた手紙が重要証拠として取り上げられており、その手紙の文字も小説内に表記されている。日本語しか理解できない自分にとって、この部分の謎解きだけが全く分からなかった
昔、何かの本に「洋物の推理小説を読むときは、原語で読まなければならない。そうしなければ少なくとも『Yの悲劇』は楽しめない」という文章があったが、このスタイルズ荘の怪事件も、語学力があればまた別の楽しみ方があったかな、と思ってしまい残念。
総評として「アガサクリスティはフェア」という印象を受けた。
専門知識を持っていなければ絶対に分からないトリックやダイイングメッセージなんかは、推理小説として邪道だと思う。(東野圭吾のガリレオシリーズを初めて読んだときは、頭をぶん殴られた気がしたがw)
灰色の脳細胞を刺激すれば、犯人を見破ることは決して不可能ではない小説。
…自分は、分からなかったが
読んでよかった度 :☆☆☆
もう一回読みたい度:☆☆
英語をしっかり勉強しとけばよかった度:☆☆