人間の大野裕之

人間の大野裕之

映画『福本清三 どこかで誰かが見ていてくれる』『ミュジコフィリア』『葬式の名人』『太秦ライムライト』
『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』岩波書店 サントリー学芸賞受賞
日本チャップリン協会会長/劇団とっても便利

お仕事依頼・お問い合わせはchaplinsociety@gmail.comまでお願いします。


*映画『福本清三 どこかで誰かが見ていてくれる』京都シネマにて特別先行上映!
*『太秦ライムライト』(福本清三主演)Blu-ray発売中 公開・配給・ホール上映も承ります。
*映画『ミュジコフィリア』(井之脇海・松本穂香・山崎育三郎出演)
*映画『葬式の名人』(前田敦子・高良健吾主演)

著書
*新著『デンさんのプール 杉本傳~水泳ニッポンを作った男』(小学館)第36回ミズノスポーツライター賞最優秀賞受賞
*『ディズニーとチャップリン』(光文社新書)
*『チャップリン 作品とその生涯』(中公文庫)3刷
*『京都のおねだん』(講談社現代新書)5刷
*『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店)第37回サントリー学芸賞受賞/11刷

*KADOKAWA「チャップリン Blu-ray BOX」アシェット「チャップリン公式DVDコレクション」監修・執筆・日本版吹き替え台本。

*『太秦ライムライト』(ニューヨーク・アジアン・フィルム・フェスティバル 観客賞、カナダのファンタジア国際映画祭 最優秀作品賞 主演男優賞(福本清三さん)、京都市文化芸術表彰 (福本清三さん、中島貞夫さん、大野裕之)他多数受賞

\💥情報解禁💥/

劇団とっても便利17年ぶりの東京公演です!

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ミュージカル『complex』
🎉上演決定🎊
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大きな話題を呼んだ、“ #劇団とっても便利”の代表作を今回は 室将也 を主演に迎え、リニューアル&バージョンアップした内容で上演🌻✨
室将也、麻央侑希、加藤夕夏、岡本悠紀、松本岳、星名美怜、設楽銀河、横山統威、峰蘭太郎、高嶺ふぶき ら多彩なメンバーが集結し、とあるバーを舞台に織りなす、乾いた人間関係とウェットな愛憎が渦巻く群像劇をお届けします🎶

多彩なダンス、音楽から文楽まで取り入れたオリジナル表現で紡ぐ、唯一無二のミュージカルを是非ご覧ください。

ミュージカル
『complex』
作曲・脚本・演出:大野裕之
振付:杉山味穂

大阪・ABCホール 5月14日〜17日
東京・博品館劇場 5月21日〜24日

室将也、麻央侑希、加藤夕夏、岡本悠紀・ 大野裕之(ダブル)、松本岳、星名美怜、設楽銀河・横山統威(ダブル)、峰蘭太郎/高嶺ふぶき
中島ボイル、鷲尾直彦、多井一晃、佐藤都輝子、上野宝子、高畠伶奈、出田英人、城島かほ、杉山味穂、大野裕之

主催:劇団とっても便利 る・ひまわり

https://le-himawari.co.jp/galleries/view/00132/00758

大野裕之が監督・脚本・プロデューサーを務め、劇団とっても便利が製作のドキュメンタリー映画『福本清三 どこかで誰かが見ていてくれる』

 

本作は2026年2月に京都で2週間特別先行上映され、連日満席のヒットを記録。まさに「ラスト サムライ」である福本清三の生涯に客席は涙に包まれるなど大きな反響を呼びました。

 

大好評を受けて、このたび未公開の福本清三インタビューや舞台挨拶の映像を新たに加えた完全版『福本清三 どこかで誰かが見ていてくれる』が、

 

2026年6月5日より池袋シネマ・ロサ、6月20日より大阪の第七藝術劇場で公開されることが決定しました!

 

他情報は、https://x.com/uzumasa_LL で随時更新します。

 

“5万回斬られた男”こと、日本一の斬られ役・福本清三。

「どこかで誰かが見ていてくれる」をモットーに、人知れず努力を重ね、斬られ役一筋を貫いてハリウッド映画『ラスト サムライ』に出演するなど大輪の花を咲かせました。

今回、福本清三の唯一の主演作『太秦ライムライト』(2014年/落合賢監督)のプロデューサー・脚本の大野裕之が、『太秦ライムライト』の未公開映像や合計200時間にも及ぶチャンバラのシーン、福本清三の生前のインタビュー、舞台やリハーサルの映像などを再編集し、中島貞夫、松方弘樹、栗塚旭らとの懐かしい映像も加えて、稀代の斬られ役の人生を描くドキュメンタリー映画を監督。

そして、本作のために、新たに里見浩太朗をはじめ、福本の妻・橋本雅子さんや長年の盟友・峰蘭太郎、東映剣会の清家三彦本山力、地元の兵庫県香住の同級生、さらに『侍タイムスリッパー』を福本に捧げた安田淳一監督、『太秦ライムライト』の落合賢監督、山本千尋、沙倉ゆうの劇団とっても便利の多井一晃、鷲尾直彦、中島ボイル、ら、福本ゆかりの人物のインタビューを収録。

その追加撮影部分のキャメラマンは、福本を敬愛してやまない安田淳一!さらに、エンディング映像を落合賢が制作!

『太秦ライムライト』の生みの親である大野裕之・落合賢と、『侍タイムスリッパー』を福本に捧げた安田淳一が、時代劇への熱いを107分に刻みました。

日本の大切な文化である時代劇を未来へと継承するために、多くの人にご覧いただきたいと願っています。

 

本件についてのお問い合わせ・取材・映画館からの上映希望は、uzumasa.limelight@gmail.comまで。

 

 このたび、拙著『デンさんのプール 杉本傳〜水泳ニッポンを作った男』が、2025年度第36回ミズノスポーツライター賞最優秀賞に選ばれました。

 

 

 ミズノスポーツ振興財団の皆様、選考委員の先生方、杉本家の皆様、小学館の皆様、お力添えいただいた全ての皆様に深く感謝を申し上げます。身に余る光栄です。

 

 ミズノスポーツライター賞最優秀賞をいただくことは、本書にとりまして特別な意味があります。

 長らくミズノさんの本店が大阪の大川を見下ろす淀屋橋にありました。明治期にそこからほど近い太融寺のあたりで生まれた杉本傳は大川で泳いで水泳を習いました。大阪の繁栄の歴史と進取の精神とが積み重なりが、デンさんを生み育てた。それから100年以上経って、いわば「同郷の」ミズノさんから栄えある賞を賜りましたことは、とりわけて嬉しいことなのです。

 

 本書は、大正初期の茨中で、当時生徒だった川端康成や大宅壮一と一緒にグラウンドを掘って、日本で初めて近代的な水泳プールを作った伝説の教師、(茨木高校卒の私にとっては大先輩である)杉本傳先生についての、初の伝記本です。今回、100人以上のご遺族や関係者への取材、杉本家の蔵や茨高から発掘された膨大な資料をもとに、知られざる生涯を描きました。

 杉本傳——通称「デンさん」は、大阪の富豪の家に生まれ、府立茨木中学(現・茨木高校)で非常にユニークな教育を受けた後、母校に奉職して、大正初期に日本で初めての近代プールを生徒と一緒に運動場を掘って作ります。その時の生徒の中には、川端康成や大宅壮一もいました。スポーツを通じた国際交流を夢見て、それまで存在しなかったものを作ったのでした。

 その後、デンさんは海外から当時最新のクロール泳法を取り入れ、茨木中学の生徒たちは次々と記録を塗り替えました。さらにはオリンピック競泳の監督になり、飛込や水球を導入し、当時水泳の全てのジャンルでのパイオニアとなりました。その上で、彼は茨木中学だけが勝ってもしゃあないと、研究の成果を惜しげもなく公開し、日本の教育水準向上に力を尽くしました。

 同時にアマチュアのヴァイオリニストでもあったデンさんは、「優れたアスリートは優れた文化人でなくてはならない」「精神は文明的に、肉体は野蛮的に鍛えよ」と能楽に打ち込み、関西で初めてのブラスバンド部を創設しました。まさに「文武両道」だったデンさんの実践は、スポーツ、文化、教育とは何か、という本質的な問いを投げかけているように思えます。

 

 翻って現代、失われた数十年の間に、新しい挑戦を面白がる心はすっかり失われてしまいました。勉強もスポーツも一部のエリートを育てることに必死で、そんなシステムが落ちこぼした人には居場所がなくなり、社会の格差が大きくなっています。先の見えない閉塞感の中、過激な排外主義に走る風潮もあります。

 こんな時だからこそ、グラウンドに生徒と一緒にプールを掘った冒険者・杉本先生のことを思い出したいのです。前例にとらわれずに海外から最新の情報を取り入れて新しい泳ぎ方を研究したあの荒唐無稽なまでのイノベーションマインドを。

 日本古来の文化を大切にしながら、西洋の芸術に親しみ、破天荒に夢を追いながら、最新の知見の合理的・科学的マインドを忘れない。そんなデンさんの生き方・考えは、今を生きる私たちに多くのことを教えてくれます。今こそ私たちにはデンさんが必要なのです。

 そんな思いで、この本を書きました。

 この受賞が、杉本傳先生の偉大な功績を広く知っていただく機会となれば幸いです。

 ありがとうございました。

 

 2026年3月4日 大野裕之

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選考委員講評

 日本で古式泳法が主流の時代に生徒とともに日本初の学校プールを作り上げ、水泳界に多大な貢献を果した大阪府立茨木中学(現・茨木高校)の体育教師・杉本傳(すぎもとつたえ)の生涯を丹念に掘り起こしたノンフィクションである。
 杉本は明治期後半に大阪の裕福な家に生まれ、北摂茨木の当時「鶏学校」と呼ばれた旧制中学で学び、後に母校の体育教師となりグラウンドにプールを掘る。そして惜しげもなく私財を投じて水泳指導に尽力した。行動は破天荒でも考え方は合理的、精神は常に謙虚さと寛容さを堅持した稀有な男の生涯と、近代泳法「クロール」への転換、オリンピックで世界に知られることになる水泳ニッポンの礎が築かれる過程を、茨木中学の生徒たちの「勤倹力行」の活躍に光を当てながら描いた大正から昭和初期にかけてのユニークな水泳史物語でもある。
 著者自身も茨木高校出身で新校舎建設の発掘調査から明らかになった旧プール遺構の謎解きから始まる本作品は、単なる母校や母校の大先輩への好奇心的な関心にとどまらず、当時の人々が日々こまめに書き残した日記や記録、学校に残された数々の資料、公的文書等を縦横無尽にパズルピースとして組み合わせ、若き日の川端、大宅の生の声を蘇らせるなど関係者の証言を交えながら、茨木が近代水泳発祥の地となっていった所以を闊達な筆致で活き活きと描きだしていく。
著者はスポーツライターを本業とする人ではないが、黎明期の日本スポーツ界に前例のない大胆な試みで水泳界に革命を起こし、大きな貢献を果たした偉大な先人の足跡を初めて明らかにした実に示唆に富んだ作品である。