もう20年ほど前になるけれど、東京ディズニーシーができてまだ間がない頃…

ディズニーでプロデュースのお仕事されていた宝塚の上級生から「うちのダンサーで日舞を習いたい人がいて」と、紹介されて、美しい金髪の女性が習いに来るようになった。


ディズニーシーの「アラジン」のところでベリーダンスを踊っているという彼女は、

プロのダンサーとして世界各地を回っており、滞在した先で、必ず現地の伝統的な踊りを習っているという。

彼女はキエフ出身のウクライナ人で、

英語のレベルは、おそらく当時の私の方がまだ話せるくらいだったので、ほとんどは「見よう見まね」のお稽古だったけど(それが一番大切なんですが)さすがはプロのダンサー、

たった数ヶ月で端唄の「京の四季」をマスターし、浴衣の着付けも上手になった。

向こうに帰ったら、みんなに見せたいから…と浴衣一式も買い揃えて持って帰った。


いよいよ帰国…という最後のお稽古の日、

彼女は自分の衣裳を持ってきて、

稽古場でベリーダンスを披露してくれた。

美しくで妖艶で、素晴らしかった。


そして、

日本まで迎えに来ながら観光していた旦那さまとまだ小さな男の子も、お稽古場に来てくれた。

4歳くらいだったかなぁ?


今のようにSNSもなかった頃だったので、その後彼女とは連絡も取っておらず、

今ごろどうしているのか、、、

旦那様もまだ若いし、幼かったあの坊やも、従軍できる年齢になっているはず。

だとしたら、ガリーナだけは国外に避難しているのだろうか、、、


とても穏やかで、優しかった彼女。

そして本当に美しかった。

どうしているんだろうか。。。


まだスマホなんてなかった時代、

写真さえも撮ってなかったけど、

彼女の美しさは覚えているし、

お稽古のときに、隣で踊る私をちゃんと見ない人が多いので、、、

そのたんびに私は、

彼女を思い出す。

上達の道は観察あるのみ。

モノマネなんだよね、パフォーミングアートは。


戦争なんて愚かなことは早くやめてください。

どうか、ガリーナと彼女の家族が無事でありますように…!