宝塚の7年上級生
峰さを理さまがお亡くなりになりました。
30日の夜に第一報を受けたときは、全く信じられず、、、
その後、間違いない事実であるとわかり、
31日朝には同期ラインに報告があり、
そしてメディアに発表されました。。。

今も、信じられない、
嘘だったら良いのに、、、
そんな気持ちではありますが、、、

アップアップアップ
2007年宝塚OG公演『心中〜恋の大和路〜』
第二幕のスタンバイ時に撮った記念の一枚、
センターが峰ちゃんで、その右が私です。
このあと我々はちょっと踊るのですが、稽古場で「みんなお扇子が正しく持ててない!ちゃんと待ててるのはツル(私のことです)だけやないの!」
と怒られて、
正直ちょっとホッとしたことを覚えております。。。
私が扇子持てなきゃシャレになりませんが、
峰ちゃんはいつも、
「宝塚も日本舞踊の基本のキをもっともっときちんと教えるべき」とおっしゃっておりました。
お扇子を本当に正しく持つのは(とくにまっすぐ手の指を伸ばして平持ちにする場合)実は意外と難しく、、、宝塚の人はそんな地道な基本稽古はすっ飛ばしてどんどん難しい踊りを稽古してしまうので、、、でも皆ちゃんとできちゃうので、、、
「あー、こんなところを注意してくださる先生がもっといらしたら宝塚の日本舞踊もグッとブラッシュアップできるのだろうな、、、」と思いました。

アップアップアップ
プロローグの飛脚の踊りは、出演者が少ないため仕方なく峰ちゃんまで借り出され…一番後ろの目立たないとこで踊っていらっしゃいました。
後ろから峰ちゃんに見られているので、全員緊張して踊っておりましたが、良い緊張感でした!

アップアップアップ
主演のルミさん(瀬戸内美八さま)を囲んで…
実は、
この公演の稽古中、
峰ちゃんは、
93期生の初舞台星組公演『さくら』の振付の先生としてもお稽古中でしたので、
宝塚歌劇団のお稽古場をあちこちかけもちしてらして、最初は全然お稽古にいらっしゃらず、
主演のルミさんが「いつも峰ちゃんに教えてもらうんやけど、こんなときはどっちに首傾げたら良いの?袖はどないするんやった?」と私なんぞに、よく色々と聞いてくださりました。
隣の星組の稽古場に、
今や押しも押されぬスターとなった宙組の芹香斗亜ちゃんを訪ねて行ったりして、楽しいお稽古でした。。。

みんなよりずーっと遅れてお稽古に参加された峰ちゃんなのに、誰よりも完璧に芝居して、歌って、そして「振りは一回で覚えちゃう」の噂通り、我々が何回も稽古した踊りをたった一回の振りうつしで完璧に踊っちゃう、、、
凄い方でした。
でもスイッチオフにするのもお上手で
とことん食べて飲んで、、、
みんなでワイワイがとってもお好き、
下級生達はよくご馳走になっておりました。


組が違ったので、
私の場合は短いお付き合いではありましたが、
同じ日本舞踊をやってる者同士、
私には他の下級生とは違い、主に日舞のことをよく話してくださいました。
『二人椀久』をご自身で振付されて国立劇場で上演された際には私に「わー、尾上流の人に見られるのは恥ずかしいわー、なんか気がついたら言ってね」などと恐れ多いことをおっしゃる、、、
そんな方でした。。。

峰ちゃんのおそばでは、
私よりも3期下級生がずーっとお世話していて、
うちの踊りの会のときは、峰ちゃんがお忙しいときにも彼女が代わりに峰ちゃんの踊りのお弟子さんを何人も誘って観に来てくれたりしていました。

報道によると、
最後に舞台で踊って終わりたい
そうおっしゃっていたとか、、、
そのお言葉が胸に刺さります。

峰ちゃんは宝塚の大スターでらっしゃいましたが、本当に本当に、
日本舞踊を愛されていらっしゃいました。
この先、もっとたくさん踊りのお話伺いたかったし拝見したかったし、私の踊りも観ていただきたかったです。。。


心よりご冥福をお祈り申し上げます。


2021年2月1日
尾上五月