おはようございます。
おのころ心平です。
アメリカの高名な脳科学者である、
アントニオ・R・ダマシオ博士が、
多くの脳障害・損傷患者の
研究からまとめた本、
『感じる脳』
(ダイヤモンド社)によれば、
「感情」とは
「身体反応(=情動)を
脳が受け取り感情を生みだす」
のだそうです。
むー、この本の訳者である
科学評論家の田中三彦さんのお力を
お借りしましょう。
***
「脳を持たない身体だけの生き物は
たくさんいるが、その逆の身体を持たない
脳だけの生物はいない。
著者ダマシオの議論では、
脳と身体の相互作用は不可欠である。
それは、もし身体がなければ、
情動も存在しなくなることを
意味している…」
***
…うー。唸ります。
身体反応が情動を生み、
それを
脳が反映して感情を生み出す…。
そうか…。
田中さんが続けておっしゃるには、
「こんにち、脳の科学的な話となると、
身体の存在を考えない、首から上だけの
(つまり、脳そのものだけの)話がほとんどだ。
そうした話では、身体は付属物、
お飾り程度の扱い。」
***
たしかにたしかに…
で、
僕は、ここで「あ!!」
と思い至りました。
東洋医学では、逆に
身体へのアプローチが主で
脳への考察が少ないのです。
そのことに僕はずっと
疑問を感じていましたが、
この本は、ある意味、
その解答を与えてくれたのでした。
***
僕なりにまとめた感想がこう。
僕たちは身体世界と脳世界の
ふたつの世界を生きている。
それは理性と感情ともいえる。
それはまた、
西洋的現代科学が、
「脳」重視なのに対し、
東洋哲学が
「身体」重視なことにも
表れている。
西洋と東洋のはざまにある現代日本。
そこに住む私たちの感性こそが、
脳と身体の神秘を解き明かすカギなのかも…。
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