おのころ心平です。
蝉の鳴き声が
だんだん変わっていくのを
感じながら、
あれだけ暑かった夏も、
そろそろ終わっていくのだなぁと…。
クマゼミとヒグラシは合唱し、
アブラゼミ、ミンミンゼミ、
ツクツクボウシ、ニイニイゼミは
森や街なかで1匹ずつ鳴くそうですが、
音波という振動を通して、
季節を変えていく力を
蝉はもっていたりして…?
なんて考えたりします。
(サウンドセラピー?)
***
閑さや岩にしみ入る蝉の声
(しずかさや いわにしみいる せみのこえ)
とは、松尾芭蕉の
『奥の細道』に収録されている
有名な句ですが、
芭蕉が、元禄2年5月27日
(1689年7月13日)に
出羽国(現在の山形市)の立石寺に
参詣した際に詠んだと言われています。
なので、
季節的に、アブラゼミではなく
ニイニイゼミだ!とかつて論壇で
論争まで起こったそうですが、
いずれにせよ、
蝉がじんじん啼いているのに、
閑かだな~って感じ入るなんて・・・
日本人独特の感性。
***
これをグーグルさんに
英語に翻訳していただくと、
Cicada's voice penetrating the quiet rocks
↓
蝉の声が閑かな岩に挿し込んでいるよ。
↓
???
「何言ってんだ?」ってことになります。
同じく、芭蕉の有名な句、
古池や蛙飛びこむ水の音
(ふるいけやかわずとびこむみずのおと)
に至っては、
↓
The sound of water pouring into an old pond or a frog
↓
古い池にカエルが飛び込んだ、その水の音。
↓
「んー、だから?」となります。
***
俳句を解する
日本人の感性って
やっぱり右脳的なのかな~
と思うのです。
蝉が啼いているのを
閑かだと感じるのって、
たとえば、電車にのって
ガタンゴトンガタンゴトンと
揺られているうちに、
すーっと眠たくなってしまって
逆に、音がやむと、はっと
目覚めてしまったりするのと
同じなのかも。。。
***
にーにーにーにー、
シャワシャワシャワー、
じんじんじんじん、と
蝉の声のシャワーを
さんさんと浴びているうち、
それが「音の風景」と化してしまって、
もう、啼いているのが
当たり前だから、閑かだと・・・。
***
たしかに、僕らの耳は、
この地球上の音の
一部分しかキャッチできません。
本当は、地球上には
たくさんの音が奏でられています。
その中で、
閑か、と感じ取る感性の方が希有。
そして、そういうことを
俳句にしてみようと
意識を向ける芭蕉の感性、
また、それを歴史的な文学として、
受け継いできた日本人の感性。
これって、ほんとうに
希有なことなのかも・・・。
夏の蝉の声に、
そんなことを考えた次第です。
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