おのころ心平です。
私たちの脳は、
たとえば、
ひとつひとつ
音符をつなぎ合わせて
音楽のメロディとして
聴くことができますし、
他人の気分を、
その人の表情の
目と口と鼻の様子をつなげて、
感じることができます。
この断片情報をつなぎ合わせて
一連の意味づけを行なうことを、
心理学的に
ゲシュタルト
と言います。
ゲシュタルトは、
あらゆる生活の場面で、
良くも悪くも、
私たちの常識、
あるいは
思い込みを
つくっています。
***
日常生活において、
私たちは、
ありふれたものを
ありふれたように見て、
解釈してます。
たとえば、
「ああ、これはリンゴね」
「ああ、これは鉛筆ね」
「ああ、これは赤だね」
・・・と。
いずれも、
リンゴならリンゴ、
鉛筆なら鉛筆、
赤なら赤
という「言葉」が引き起こす
一連の「ゲシュタルト」。
***
日常生活で次々と
判断を下していかないといけない中では、
私たちはほとんど
深く物事を見ようとはしていません。
何事も、見たり触れたりするのは
ほとんど一瞬で、
そのとき、私たちの脳は、
0.1秒で情報処理して、
見たものをおなじみのパターンで
カテゴライズしようとします。
そう、こうして、思い込みは
日々強化されています。
なんの気なしに送っている
今日の無意識の「視線」が、
過去、自分が行なった
「ゲシュタルト」を
強化しているわけです。
さて、これを打破するには
何か方法はあるのでしょうか?
はい、
ここで、
ある対象を見つめるとしましょう。
ひとつの文字をずっと見ていると、
しだいにそれが、
意味のない、線の集合体のように
思えてくる経験ってありませんか?
たとえば
花
という字を紙に書いて、
1分間ほど凝視してみてください。
ずっと見ていると、
点と線がバラバラの要素に見えて、
「え?こんな字だっけ」
と感じる瞬間が訪れます。
このように視点を何かに
一定時間集中させることで、
その構成要素をバラバラにする。
これを心理学用語で
ゲシュタルト崩壊
と言います。
つまり、
思い込みを打破するには、
外側からなにか新しい概念を持ってきて
とってつけるのではなく、
内側から、
自ら崩壊するように、
対象物をよく見つめ直す、
ということなのです。
***
身の回りで当たり前になっていること、
よく考えないままそのままにしている
こと、もの、ひと、習慣、仕事etc・・・
もう一度、じっと、
見つめなおしてみましょう。
じんわりなにか
感情が湧いてきたなら、
そこに、ゲシュタルト崩壊が
始まっています。
すると、日常が
どんどん軽くなっていきます。
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