上に立つ人ほど信頼されることが大切 ~信~ | 人生が変わった30代からの習慣

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●上に立つ人ほど信頼されることが大切 ~信~




こんにちは、小野尾です。




『論語』では仁義礼智信の五つの徳目が「五常」として大切にされています。このうち、今回は「智」と「信」についてご紹介します。




では、日本人の教養講座の第三章「日本人が大切にしてきた道徳」の第二項「日本人が大切に大切にしてきた『論語』という価値観②」の第三回目をお送りします。




智恵があれば思い悩まなくなる




「知」に関しては、「知」そのものを説明した言葉ではなく、「知」が身につくとどうなるかを説いた言葉をご紹介して、それを通して「知」についてご説明します。




「知」の他に「仁」と「勇」の三つの徳に関する言葉が『論語』にあります。




子曰く、「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼れず」




孔子が言った。




「知者は迷わない、仁者は思い悩まない、勇者は恐れることを知らない。」




知者とは知恵のある人のことです。知恵があれば物事の道理がはっきりわかり、その是非や正邪を判断することができるので、何かに対処するのに迷うことがなくなります。




知恵といっても単に何かを知っている知識ではなく、物事の道理がはっきりわかる智慧である必要があります。




智慧を身に付けるには論語などで学んだことを、実生活で繰り返し実践して、身に付けなければなりません。頭で考えなくても行動できるようになっていることも必要な要素です。




仁者とは仁を身に付けた人のことです。「仁」については既にご紹介している通りです。論語における最上の徳です。仁を身に付けた人は天命を自覚しているので、迷いがなくなります。




勇者は心が広くて剛いです。社会が正しいと認めた道に則っているので平常心を失いません。




インターネットで情報が簡単に手に入る時代ですから、知識ばかり増やすのではなく、物事の道理がわかるような智慧を身に付けることに気を配らなくてはいけません。




信頼がなければ政治が成り立たない




次に「信」に関してです。孔子の弟子である子貢が、孔子に政治について質問します。孔子の答えの中に「信」について触れられています。




子貢、政を問う。


子曰く「食を足らし、兵を足らし、民をして之を信ぜしむ。」





子貢曰く、「必ず已むことを得ずして去らば、この三つのものに於いて何をか先にせん。」


曰く、「兵を去らん。」





子貢曰く、「必ず已むことを得ずして去らば、この二つのものに於いて何をか先にせん。」


曰く「食を去らん。古より皆死あり。民、信なければ立たず。」




子貢からの政治に関する質問に対して、孔子は答えました。「食糧を確保すること、軍備を充実させること、そして国民の信頼を得ることだ。」




さらに子貢は質問します。「やむを得ない事情があって、どれか一つを切り捨てるとしたらどれになりますか。」 孔子は答えます。「軍備だ。」




さらに子貢は質問します。「やむを得ない事情があって、残り二つのうちどちらか一つを切り捨てるとしたらどちらになりますか。」




孔子は答えます。「食糧だ。昔から人は死を免れることはできない。しかし、国民からの信頼が失われたのでは政治そのものが成り立たなくなる。」




食料と軍備と信頼のうち、一番最初に切り捨てるのが軍備なのはわかります。 しかし、食料と信頼とで比べたときに、食料の方が大切なようにも思われます。




しかし、孔子は信頼の方が大切だと答えました。 食料があれば確かに命は助かりますので、その時はいいでしょう。しかし、信頼を失ったのでは、その先がなくなってしまいます




先々を考えたときに、命ではなく信頼の方が大切になるということです。 言うのは簡単でしょうが実行は難しいことです。しかし、それだけ信頼が大切だということは肝に銘じておきたいものです。




人には信頼されるようにしなければならない




「信」が大切であることに関しては、こんな言葉もあります。




子日く、民は之に由らしむべし。之を知らしむべからず。




孔子が言った。「国民からは信頼されるべきである。国民に理解して貰うことは難しい。」




これは政治家に対する言葉です。政治家は何よりも国民からの信頼が第一ということです。




国民は、目先の利益や自分自身の欲望にとらわれやすくて、将来的なことや全体的なこと、本質的なことを考えることはあまりないでしょう。




政治家がとやかく言ってみたところで、それが国民に十分に理解されるかどうかはわかりません。




だからこそ、「あの人の言うことだから間違いないだろう」、「あの人を信頼して任せよう」というようにしていくのが政治だということです。




これは政治家に限った事ではありません。私たち一人一人も同じです。




自分の考えや人と成りが完全に相手に伝わることはありえません。自分という人間を完全に理解して貰うのは無理です。




自分を理解して貰わなくても、自分を信頼して貰うことはできます。信頼されるような行動や発言をすればいいからです。




理解して貰うことに気を付けるよりも、信頼されるような行動や発言をするように気を付けることが大切になります。






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