自分のためではなく、誰かのために生きる生き方 ~義~ | 人生が変わった30代からの習慣

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●自分のためではなく、誰かのために生きる生き方 ~義~




こんにちは、小野尾です。




論語の中で最も大切な徳だといわれているのが「仁」で、その「仁」と同じくらい大切な徳だといわれているのが「義」です。




今回は、「義」がどんなものであるかについて簡単にご紹介した後で、「義」に関する言葉を3つご紹介します。「義」について理解を深めてください。


では、日本人の教養講座の第三章「日本人が大切にしてきた道徳」の第二項「日本人が大切に大切にしてきた『論語』という価値観②」の第一回目をお送りします。




誰かのために生きる生き方のが「義」




論語の中で最も大切な徳だといわれている「仁」と同じくらい大切なのが「義」です。




しかし、論語では「義」について詳しく触れられていません。「義」については、「論語」からは離れてご説明します。




「義」という言葉の上半分は「羊」です。羊は群れをなす従順な動物です。その様子を一つの秩序だった美しさと見るのです。ですから、人間として生きるうえで最も美しい生き方を表すのが「義」という言葉なのです。




では、どういう生き方が美しいかというと、自分のことよりも、誰かのために生きたい、社会の役に立ちたいという姿勢です。




それと正反対の生き方が私利私欲のために生きる生き方です。私利私欲のために生きる人を見ても誰も感動しません。




そうではなくて、誰かのため、社会のために生きることで人としての美しさが現れてきて、人を感動させられるものです。こういう姿を「義」といいます




義よりも利を優先にすると怨みを買うことが多くなる




「義」に生きることが大切だということは、私利私欲を優先させることを戒めるこの言葉から読み取れます。




子曰く、「利に放りて行えば、怨み多し」




私利私欲を優先させることに関して孔子が述べた言葉です。




「利益を優先させると、人の恨みを買うことが多い」




自分の都合ばかり考えて、何がみなのためになり、何がみなのためにならないかを考えなければ、人から怨まれることが多くなるものです。




利益は誰もが好むものですから、自分の都合ばかり押し通せば、必ず他人の利益とぶつかります。自分が利益を得られたら、他人が利益を得られなくなります。




その結果、人から怨まれるようになってしまいます。




そうならないようにするためには、自分の利益ばかり考えるのではなく人のことも考えればいいのですが、そもそも、自分の利益ばかり考える人は、目先の利益に目がくらんでしまい、後々問題が起こることまで考えが及ばないものです。




「論語」ではこんなことも言われています。




子曰く、「君子は義に喩り、小人は利に喩る」




「義を優先させるのが君子で、利を優先させるのは小人である」




そもそも、自分の利益を考えるのが人の自然な気持ちです。ですから、それを否定する必要はありません。やむを得ないものだと考えることが、まず必要になります。




しかし、それだけではだめで、同時に人のことや社会のことも考えることを忘れてはいけないのです。




論語で最も大切な徳だといわれる「仁」を大きく広げて行くと、「相手のため」から「社会のため」、「世の中のため」になり、結果的に「義」になります。 「義」のもとには「仁」があるのです。




利益を得ることは悪ことではない。どうやって利益を得るかが大切




自分の利益を優先させることを戒めた孔子ですが、孔子は利益を得ることが悪いことだとは言っていません。どうやって利益を得たかが大切だといっています。




子曰く、「富と貴きとは、これ人の欲する所なり。その道を以ってこれを得ざれば、処らざるなり。




貧しきと賤しきとは、これ人の悪む(にくむ)所なり。その道を以ってこれを得ざれば、去らざるなり」




孔子は財産や地位を得ることについて、こういっています。




「人間であるからには、誰でも財産や地位のある生活を手に入れたいと思う。だが、まっとうな生き方をして手に入れたものでないなら、しがみつくべきではない。




逆に貧賤な生活は、誰しも嫌うところだ。だが、まっとうな生き方をしないで落ち込んだものなら、無理にはいあがろうとしてはならない。」




財産や地位は誰しも欲しがるものです。それを手に入れるにはまっとうなやり方があります。学問を学び、自分を磨いて、道徳を身に付けることです。




決して、利を得ることばかりを考えないで、世の中の役に立つこと、「義」を考えることが大切なのです。その結果で得ることができた地位や財産は貴いものなのです。




「義」が先で「利」が後だという順番を間違えてはいけないのですね。気を付けたいものです。





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