心霊現象にあっている。
けれど全く悩まされていません。
なぜなら、どんな現象も気づきに繋がるから。
つい先日、透明な犬が来た。
お風呂から出て髪を乾かしたり肌のケアを行ったりしていたら。
「ガリ…ガリ…ガリ…ガリ…ガリ…」
リビングと脱衣所を隔てるトアを向こうからひっかくモノがいる。
娘が起きたのか?
にしては、言葉がない。
娘なら私の名前を呼ぶし、ドアも開けてくるだろうが、来ない。
引っ掻く音は、だんだん弱くなって消えた。
あきらめた?
ドアを開けてもやはり誰もいない。
寝室をのぞくと娘はぐっすり。
夫は別室でゲームに熱中中。
「えええ~。」
次の日、潜在意識に聞いてみた。
ドアの下の方をガリガリしていたから、子供かな。
女の子ですか?→Yes おんなのこー??
人間?→No 人間じゃない!
タヌキ?→No
犬?→Yes 「仔犬の女の子か!」
その子犬はもう居ないとのこと。
えー?何に気づけば良い?
犬を飼えってことか?
私が動物とのふれあいに飢えていて呼び寄せた?
娘が遊び相手に犬がいると良いってこと?
いろいろ考えたが、ふと私が小さい頃に出会った不幸な仔犬を思い出した。
私が小学生のころだ。
家の近くの溝から鳴き声がするので行ってみたら、生後2~3カ月と思しき仔犬が落ちていた。
濡れていたのでお風呂に入れてあげるとお湯の中に虫が泳いでいる。
よく見ると蛆だった。
体の外に付いていたのかと思ったら、それは体内から出てきているのだった。
仔犬の体の中は既に蛆によって蝕まれていたのだった。
ずっと鳴く仔犬。
空腹で鳴いているのかと思っていたが違った。
内蔵を食い破られるという想像を絶する痛みへの悲鳴だったのだ。
お腹はパンパンだった。
蛆でいっぱいか、腐敗が始まってガスが溜まっているかだろう。
子どもの私にもこの命がもう助からないのは分かった。
悲しくて悔しくてどうにかなりそうだった。
泣くのが恥ずかしい年ごろだったが、泣きじゃくって母に助けを求めた。
助からないのは分かる。じゃあどうしてやれば良いのかと。
母は、善意でその仔犬を殺した。
詳しくは、近くの池にそっと沈めた。
私も同意し、同行した。
想像を絶する苦しみが少しでも早く終わるように願って。
泣きながら見守った。
それから池の近くを通るたび、その仔犬の事を思って胸がひどく痛んだ。
30年近くも前の出来事だ。
もう忘れかけていた。
「その仔犬?」→Yes
なんてことだ。あの仔犬が先日うちに来たのだ。
しかもまだその池に居るらしい。
どこにも行けずにずっとそこに居るらしい。
普通、体から抜けた魂はある次元へ行くそうだ。
そこから、自分の行くべきところに行く。
いったん駅に集合して、それぞれの目的地への電車に乗る感じ。
地縛霊や浮遊霊は、現世に留まってしまっていて駅に行けてない魂。
たとえばの話。
私は母に仔犬を殺させることで、その仔犬の本来の死のプロセスをゆがめてしまったんだな。と気づいた。
気づきは「死をコントロールする事」について。
自然死に手を加えると、不自然死になる。
不自然死すると、駅に行けない。
本当は、その仔犬に残りの生を全うさせてあげなければならなかった。
地獄の苦しみがあとどれくらい続いたかはわからないが、その苦しみは仔犬の使命だった。
鳴き声をはじめに聞いた私は、そこに寄り添い見届けなければならなかったのだ。
それこそが私の使命だったのに。
供養をどうするかについて、何を持っていけば良いか潜在意識に聞いたら、仔犬用ミルクとフードだった。
お腹がすいていても内蔵がないから食べられなかったもんね。
別件で供養について聞いた時、Aさん曰く「上へいってね」と思うだけで良いとのこと。
ただ、仔犬の事をちらっと言った時に「通常の方法では上に行けないかもしれない」とも言っていた。
近々その池に行く。
ひとまず、お供えして仔犬を思う。
何度か行っても池から上がれないようなら、その時はAさんに頼ろうと思う。
子どもの頃に犯した罪についての話。