多くのスピリチュアルマスターがいますが、私は西洋人のマスターに今一つ惹かれないのですが、そんな中でアメリカ人のマスターであるアジャシャンティは例外です。
なぜ私がアジャシャンティは評価するかというと、アジャシャンティは綺麗事ばかりは言わず、スピリチュアルの注意すべき点、目覚めから転落したりする危険性や、それを避けるにはどうしたらいいかについて語っているからです。
「私に会いに来る多くの生徒たちは、悟りとはどんな状況にいても人が完全なる幸福、完全なる至福を感じることができることを意味しているという、無意識の考えをもっています。これは多くの人が目覚めについてもっている無意識の考えの一つで、もう一つの誤った認識です。
確かに、目覚めのあとには人生の外側の状況や環境が、私たちを中心から投げ出してしまうといった力をもつことはなくなります。
しかしまた、私たちが目覚めるとき、自分の理解と調和していない自分の人生の中の行動パターンにもますます気づき始めることも事実です。
もし悟りは、ただ幸福、至福、自由についてだという誤った認識をあなたが信じるなら、自分の人生で完全には機能していないと感じている領域を超越したいとか、そこから逃げ出したいと思うことでしょう。
しかし、遅かれ早かれ、私たちが目覚めるにつれて、自分が避けてきた人生領域と出会い、それに対応する圧力がますますかかることに気づきます。
そういった人生領域は、私たちが完全に意識していないところです。
これは目覚めが単なる人生の超越、私たちが人生の現実に対処する必要がない、何らかの内なる経験の中の安全な避難所を発見することである、という考えとは反対のものです。
目覚めとは、事実まったく正反対です。それは私たちが、自分の人生の実際のあるがままに対処する能力を発見する存在の状態です。
しかし、前にも言ったように、多くの人たちはそのプロセスのこの部分を怖がるのです」
「あなたの世界の終わり アジャシャンティ著 88p~」
日本における非二元、ノンデュアリティ系のスピリチュアルでは、目覚めると良いことばかり起きてただ幸福、至福、自由に満たされる、という点が強調され、そういった教えに多くの人が集っているように見受けられましたが、欧米でもそれは同じようです。
私は長年に渡る探究の過程で、色々と見たくないことや、それまで全く気づかなかったものに直面し驚愕したり、といったことがそれこそ何度となくありました。
私とて苦しいことや嫌なことから逃げたい、そういうことを避けたいという思いが当然生じますが、そこに直面してきたことでそれらを超えてきたことも事実です。
ですからアジャシャンティが説いていることはすごく腑に落ちるし納得できます。
アジズ、フーマンの共著である「エンライトメント 伝統を超えて」でも悟りは、パーソナリティの中のネガティブなものと伝統が考えた全てを、破壊しない、と説かれています。
「不幸なことに、偽のスピリチュアルな意識の中では、課題や苦しみに関することは全て否定され、スイートで愛にあふれ、平和なものはすべて理想となっている。
一体どうやって私たちは、ある感覚を取り除いて、残りだけを残しておくことができるというのだろう?それはシンプルに不可能だ!欲望も恐れも怒りもない生などありはしない。それらがないというのなら、とっくの昔に死んでいるのだろう!
これらの感覚は生の知恵を携え、私たちを、この存在の生態学的生命の中で生き延びさせてくれるのだ」
愛と平和、ラブ&ピース。もちろんそれは素晴らしいです。しかし目覚めていくとそれだけになる、というのはマーヤ、幻想にすぎません。
目覚めていくことで、問題や苦しみに直面しても、それに対処する能力が生じてきたり、それが必要以上に気にならなくなってきます。
あるインドのヨーガ行者の話を聞いたことがありますが、冬のヒマラヤの山中で、ヨーガ行者が薄着でいるので、「そんな恰好で寒くないのですか?」と問われたところ、「ああ確かに寒いよ。だがそれがどうした?」と答えたそうです。
ヨーガの修行で寒さに強くなるというのは実際にありますが、それよりも寒いから嫌だ、というマインドが弱まって必要以上に気にならなくなるということですね。
ヨーガ行者でも寒いものは寒い。それが完全に消えてしまうことはない。でもso what?! だからどうした?! 目覚めるとはこういうことなのでしょう。
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昨今流行りのスピリチュアルではなく、ディープで本格的にスピリチュアルを語り合いたいという方、どうぞお越しください。
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